2018年6月22日

蜆子(けんす)和尚のこと

 蜆子和尚という方が、唐の時代にいました。禅僧の伝記を記した『伝灯録』を見ても、

どこの人かも分からないとあります。

 いつ生まれたのかいつ亡くなったのかも分からないし、

住んでいたところも一定ではないと言います。

 しかし洞山禅師について修行して、悟りを認められました方です。

洞山から修行だ出来上がったというお許しをいただいてからは、

川の畔で、自由気ままにシジミやエビを取っておなかを満たしていたようです。

 お腹が減ったらご飯を食べるという、生き物としては一番自然の生き方をしていました。

動物なんてものは皆自分の食べ物を自分で取って後は寝ています。

それが自然と言えば一番自然です。理論もなにもありはしないのです。

 人間は得てして、「自然を守るぞ」などいいながら

却って自然を壊したりしてしまっていることもあります。

 世のため、人のために尽くすことは尊いことですが、

あまり人のためと力んでばかりいると、却ってはた迷惑の場合もあります。

 マネをすることは薦められませんが、蜆子和尚などは、ただ自然の暮らしをしただけです。

それでいて、こんな生き方が後の世になっても慕われたのか、画に描かれ、漢詩に詠われています。

 何が役に立つか、立たないか、分からないものです。

こんな生き方をされた方がいるということだけでも、あくせくはたらいてばかりいる世の人には、

救いになるのかもしれません。

(平成30年6月22日 横田南嶺老師 『武渓集提唱』より)

2018年6月21日

6月23、24日どなたでも参加できる円覚寺の坐禅会

さて、今週末(6月23年、24日)の円覚寺でどなたでもご自由に参加ができる行事の紹介です。

6月23日(土)は、

●13:10~14:20 土曜坐禅会 初心者の部 @居士林

 初心者を対象とした坐禅会です。初めに、呼吸や体に意識を向けるなど

準備体操にあたる瞑想をして、心を落ち着けます。それから、体の動きを止めて

静かに15分間くらいの坐禅をします。最後に5分で質疑応答という流れとなっています。

●14:40~15:40 土曜坐禅会 経験者の部 場所:居士林

20分の坐禅を2回と最後に15分、般若心経、延命十句観音経などのお経を読みます。

(経験者の部では、足の組み方などの説明は、ございません。初めて坐禅をされる方は

なるべく、初心者の部に参加して初歩的なことを体験してくださいますように。)

<土曜坐禅会が行われる居士林堂内>

6月24日(日)は、 

●9:00~11:00 日曜説教坐禅会(円覚寺派布教師和尚による法話と坐禅) @大方丈

 老若男女が集うお説教と坐禅会です。初めての方も多く参加されています。

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ー日曜説教坐禅会が行われる大方丈ー

 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2018年6月21日

老師 コーネル大学生との問答②



横田南嶺老師とコーネル大学生との問答の第2弾です。

学生: 私は、誰に対しても慈悲の心を持って対応しようとしています。

    しかし、少し、不安があります。それは、欲張りな人、意地悪な人、

    やきもちをやく人に対して慈悲の心で対応をすれば、それは、その人の

    良くない心を増長させてしまうのではないかという不安です。

    誰に対しても慈悲の心で応対をしながら、その人の良くない心を

    増長させないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

老師: それは、慈悲と言っても優しいとか同情だけが慈悲ではありませんから、

    時には、この居士林の本尊である不動明王のように「ダメだ!」という

    怒りの慈悲もある。子供がお菓子が食べたいというから、お菓子を

    与えていたら、虫歯になってしまう。時には、「ダメだ!」といわなければ

    ならない。

学生: 追加質問で、これは、アメリカや私たちが住んでいる社会に関わる質問ですが、

    もし、「ダメだ!」と言うことができないような人だとしたら、例えば、

    たとえ言っても聞き入れそうもない人や権力のある人なら、その人と

    対立しながら、慈悲の心をもたらすことはできますか?

老師: それは、可能ではあります。しかし、いつ、その効果表れるかは計り知れない。

    こちらが慈悲の心を持ってあげることはできますが、それが相手に行動の変化や

    大きな変化をもたらすには、すぐに表れる場合と時間がかかる場合がある。  

     しかし、慈悲の心を向けていることは、決して無意味ではない。いくらかでも

    影響があると思って私は生きています。

(平成30年6月17日 コーネル大学生との質疑応答より)

2018年6月21日

忍の一字


 明治二十年、数え年二十九歳の釈宗演老師は、慶應義塾での学業を終えて、

更にセイロン(現スリランカ)に行く決意をされました。これは、奇しくもその二十五年前に、

その時の釈宗演老師と同じ歳に、福沢諭吉先生が、セイロンを訪れて、現地の高僧に出会い、

その立派な人格に触れて感動したことから、釈宗演老師に、仏教の源流に触れるように

勧めたのたでした。

 当時セイロンに行くことは、まさしく命がけでありました。

師である今北洪川老師は、宗演老師に、忍の一字を説いてはなむけとしました。

お釈迦さまが、我が子ラゴラ尊者に忍の大切さを説かれた経典に基づいて、

「忍は安宅(あんたく)たり(堪え忍ぶことこそ安らかな家であること)」、

「忍は良薬たり、よく衆命をすくう(忍こそ良薬であり、多くのいのちをすくうこと)」、

「忍は大舟たり、以て難きを渡るべし(忍は大きな船のように、

困難な世の中を渡ってゆけるものであること」など、忍の素晴らしさを説きました。

 そして更に「世はたのむ所無し、唯だ忍のみたのむべし(忍こそがこの世の頼りとすべきものであること)」。

「忍を懐いて慈を行ずれば、世々怨み無し。中心恬然(てんぜん)としてついに悪毒無し」

(自分の身に降りかかったことは堪え忍んで、むしろ自分に辛く当たる者こそ却って

気の毒な者であると慈悲のこころで思いやれば、どんな目にあっても怨み心は起こらないし、

心はいつも穏やかで、悪いことは起こらない」と説き尽くされたのでした。

 洪川老師に説かれた通り、様々な苦境にあいますが、宗演老師はただ耐え忍ばれました。

セイロンから洪川老師にあてた手紙にも、ただ「忍」の一字を守っていますと記されています。

 修行で大事なのは、なんと言ってもこの忍の一字です。

(平成30年6月21日 横田南嶺老師 『武渓集提唱』より)

2018年6月20日

8月1 日 夜の初心者向け坐禅会@居士林 参加者募集中


居士林(円覚寺の在家修行道場)山門
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居士林堂内

 最近、世間では、仏教瞑想に対する注目の高まりか、居士林で毎週土曜日に開催

されている土曜坐禅会・初心者の部(13:20~14:20)には、大勢の

方々が参加をしている現状があります。

 そこで、居士林では、夜間の初心者向けの坐禅会を設けました。

 この坐禅体験会は、2時間というゆったりとしたプログラムで、身体をほぐす体操、

呼吸への意識の向け方、足を組んで坐禅をし、最後に参加者の方に自己紹介と質問と

いった内容の懇談会となっています。

(また、椅子での参加も可能です。)

日時: 8月1日(水) 19:00~21:00

    月に一度以上の割合で開催する予定です。

    今後のスケジュールについては、当「居士林だより」にてお知らせします。

場所: 居士林 

定員: 20名

申込み:engakuji.kojirin@gmail.com  宛てに 件名「◯月◯日の夜の初心者向け坐禅会希望」にて

    ①氏名 ②住所 ③電話番号 ④年齢 ⑤職業 ⑥坐禅歴 ⑦参加動機 を記入して

    お送りください。

参加費: 大人 1000円 学生・子供 500円

  * 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2018年6月20日

逆境こそ修行の好機

 
若かりし日の釈宗演老師

釈宗演老師は、円覚寺に来て今北洪川老師のもとで伝統の修行を終えたあとに、

慶應義塾で英語を学びに行かれました。

 伝統の禅の世界を貴ぶ洪川老師は、宗演老師の慶応行きを快く思ってはいませんでした。 

そこで、長い漢文の文章を送って、宗演老師に、どのような環境にあっても、

仏道修行を忘れぬように諭します。

 その文のなかで、洪川老師は、宗演老師の慶応行きと、昔の大燈国師が、

修行を仕上げたあとに、京の五条の橋の下で、乞食の群れに混じって

修行された故事を引きあいに出して比べています。

 大燈国師の修行は、逆境の中だから、むしろ環境に誘惑されることがないので、

修行しやすい。慶應に行くことは、順境だから、誘惑も多くて修行は難しい。

その困難な中で、敢えて道心を失わず、正念を失わずに慎重に修行して

欲しいと諭されたのでした。

 思うに任せない状況にある時、すなわち逆境にある時こそが、

実は修行にとっての好機なのです。

(後記)

 今日から26日まで、円覚寺僧堂では、1週間に及ぶ集中坐禅修行期間となりました。

僧堂師家である横田南嶺老師をはじめ、和尚、雲水、居士・禅子が禅堂に籠り

坐禅修行に精進しています。

2018年6月20日

老師 コーネル大学生との問答①


 居士林での横田南嶺老師との質疑応答の様子。

 質問にお答えになる老師。

 円覚寺の在家道場・居士林では、先日6月14日から18日の朝までの

4泊5日で、米・コーネル大学の一行19名が禅の生活を体験しました。

 朝晩は、坐禅をし、日中は、国宝・舎利殿を見学するなどのプログラムでした。

その中で、円覚寺派管長・横田南嶺老師とコーネル大学生との質疑応答の時間が

あり、老師は、今回、参加した学生全員の質問に懇切丁寧にお答えくださいました。

 老師とコーネル大学生との問答を今日から順に紹介して参ります。

学生:100年くらい前から、禅がアメリカに、いろいろな形で広まっています。

   多くの禅のマスターがアジアからいらしていますが、その中で、禅や真の法系

  というよりも、自分個人の魅力を活かして、まともな宗教というより、カルトに

  なっていることがあります。

  仏法を広めているのではなくて、何か間違ったものを広めている現象があります。

  日本に於ける、禅に於ける組織の中で、それを防止する要素は何でしょうか?

老師: 確かに個人の表現は、自由でないと活性化しません。しかし、日本には、

   伝統の世界がありますから、伝統の枠をあまりに逸れてしまうものは、

   自然と淘汰されてしまうという、伝統のシステムがあります。

   例えば、指導者(後継者)を選ぶ場合に師匠が認めることと、さらに

   周りの組織が認めていくことという二重三重の認めて認められるという

   システムがある。

    ところが、何の伝統もない組織では、自由であるという良い面がある

   一方で、カルト的になってしまうという残念な事実も最近はありました。

   (平成30年6月17日 コーネル大学生との質疑応答より)

   

2018年6月14日

6月16、17日どなたでも参加できる円覚寺の坐禅会

 さて、今週末(6月16、17日)の円覚寺でどなたでもご自由に参加ができる行事の紹介です。

●6月16日(土)の土曜坐禅会・土日坐禅会は、

米・コーネル大学宿泊坐禅会(@居士林)開催中の為、休会となります。

 6月17日(日)

●8:05~9:50 日曜坐禅会 @大方丈

8:05~8:20 坐禅

8:30~9:30 横田南嶺老師による「盤珪禅師語録」という禅の語録の提唱

          今回の提唱は、米・コーネル大学の学生も聴講するため、

          英語通訳付きとなります。

9:30~9:50 坐禅

という内容です。初心者の方には、8:10~20の間で、足の組み方などを説明しますので、

 必ず、時間までにお越しください。

2018年6月10日

管長 6月・日曜説教会の映像

 今日、円覚寺・大方丈にて行われた横田南嶺管長による日曜説教会の映像です。

管長ご自身が、「宝の山にいながら宝に気が付かずに苦労をして

修行していると思い込んでいた自分の浅はかさに気づいた」と言われる

エピソードを語っています。

 皆さま、ぜひ、ご覧になってください。



2018年6月8日

6月9、10日どなたでも参加できる円覚寺の坐禅会

 さて、今週末(6月9、10日)の円覚寺でどなたでもご自由に参加ができる行事の紹介です。

6月9日(土)は、

●13:10~14:20 土曜坐禅会 初心者の部 @居士林

 初心者を対象とした坐禅会です。初めに、呼吸や体に意識を向けるなど

準備体操にあたる瞑想をして、心を落ち着けます。それから、体の動きを止めて

静かに15分間くらいの坐禅をします。最後に5分で質疑応答という流れとなっています。

●14:40~15:40 土曜坐禅会 経験者の部 場所:居士林

20分の坐禅を2回と最後に15分、般若心経、延命十句観音経などのお経を読みます。

(経験者の部では、足の組み方などの説明は、ございません。初めて坐禅をされる方は

なるべく、初心者の部に参加して初歩的なことを体験してくださいますように。)

<土曜坐禅会が行われる居士林堂内>

6月10日(日)は、 

●9:00~11:00 日曜説教坐禅会(横田南嶺老師による法話と坐禅) @大方丈

毎回500人近い、老若男女が集うお説教と坐禅会です。初めての方も多く参加されています。

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ー日曜説教坐禅会が行われる大方丈ー

 皆様のご来山を心よりお待ちしております。

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