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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.10.22
今日の言葉

足で大地に立つ – 新たな工夫 –

イス坐禅の会も二十九回を迎えました。

振り返ってみれば早いものです。

どうなるものかと、ハラハラしながら始めたのでした。

今や毎回お越しくださっている方がほとんどで、そんな皆さんとも顔なじみにもなっています。

もっとも必ず数名ははじめての方もいらっしゃいますので、解説の折には気をつけないといけません。

その日は午前中にとある取材で、坐禅堂で坐禅を指導するという場面を撮影していました。

坐禅堂で坐禅をするというのは、修行僧でなければ体験できることではありません。

実際に体験していただいた方は、この場所の持つ力に感動されていました。

普段でも瞑想をなさっている方らしいのですが、この場に坐ってみるとそれだけで体も心も調うと感じられたようでした。

たしかに寺というのは良い環境にあります。

その場にいるだけでも身心が調ってきます。

私もそんな場の力を思います。

午後からイス坐禅の会にでかけました。

今度は場の力をあてにすることはできません。

みんなで場を作ることをしないとなりません。

東京駅の八重洲口から歩いてすぐの会議室を借りています。

他の部屋ではいろんな集まりや会議が行われているところです。

そんな場所に仕事帰りの人たちが集まってきます。

それでも最後には、とてもいい場になったと実感できました。

前回のイス坐禅のアンケートに

「本日は歯科の診療日でしたが、診療室のイスに座って、イスは先生によってもちろん倒されるのですが、自分でイス坐禅のようなことをやってみたら、器具や周囲の音が気にならなくなり、快適に診療を受けることができました。」

という言葉がありました。

診療室のイスの上でもイス坐禅になったというのは有り難いことです。

こうして日常の中に坐禅がとけ込んでいくことを目指しています。

今回行いましたのは、

仙骨運動 
手をやわらかくする 
タオル体操
ヒジの運動
首の位置を調える 
肋骨ほぐす 
座骨を鮮明にする  
足に力を入れる

というものです。

まずはじめに皆さんに立ってもらい前屈をしてもらいました。

どれくらい前屈できるかを覚えておいてもらいます。

それから仙骨運動をしました。

先月堀澤祖門先生にお目にかかったことをお話申し上げて、堀澤先生直伝の仙骨運動を紹介しました。

尾骨の上部の逆三角形になっている部分が仙骨です。

イスに坐ってお尻に手をあてて、中指先がイスの座面について、手の平が覆っているあたりが仙骨です。

その仙骨の上部に仙骨点という場を定めます。

堀澤先生に教わったのは、尾骨に人差し指の先端を当てて、上にした親指が当たる処が仙骨点となります。

その仙骨点に両親指を当てて自然に前の方へ押し出します。

すると腰が入った状態になります。

それを柔らかく元に戻してからまた押し出します。

これを繰り返すのです。

仙骨点のちょうど前方の下腹の部分が丹田です。

仙骨を前方に押し出したとき下腹に自然に力が入るようになります。

堀澤先生によればこの仙骨点の前後運動が丹田を強化することになるのです。

また、この運動を繰り返すことにより背骨が真っ直ぐになります。

そして重心が低くなります。

これを皆さんと五十回ほど行ってみました。

それから今回初めて試みたのが手をやわらかくすることでした。

これは最近自分で思いついたのです。

私たちの体は普段社会生活をしているだけで体の表面はとても緊張しています。

この緊張をとるのは難しいのです。

その方法として手をそっと触ってみるのです。

左手を左の股の上に置いて、右手で左手の甲をそっと触れてあげるのです。

そっとさすってあげるのです。

これだけです。

手首から指先へとなぞるようにさすります。

また手の甲を円をかくようにさすってあげます。

触れてあげる、さすってあげるだけで気持ちが落ち着くものです。

指を回すのもそっと微かに動かすくらいにしました。

手のひらの中央、労宮というつぼをおさえるのもそっと押すだけにします。

そうしますと手がやわらかくなります。

そのやわらかくなった手で額をさすり、肩から腕へとさすり、それから腰からお尻へとさすり、太ももそしてすねをさすります。

体全体がふわっとさすられてやわらかくなります。

ほんとうに表面をやわらかくさすっただけなのに、そのあと立って前屈をしてもらうと多くの方が前よりも深く前屈できるようになっています。

これには驚いたという方がいらっしゃいました。

柔軟体操というとギュウギュウと行うと思っていたけれどもあんなにソッと触れるだけで変わるのかと驚かれたのでした。

触れるだけで変わる、そんなことを確信していたのでした。

多くの方に体験してもらえて有り難いことでした。

気持ちが動揺したり、不安なときにはそっと自分の手の甲を撫でてみるのはいいことだと思います。

タオル体操はいつも行っているものです。

それからヒジの運動ははじめてのものです。

ヒジを動かすのです。

それによって肩がほぐれていくのです。

これも私が独自に考えてみたものです。

首の位置を調えるのはとても大切です。

仙骨と頭の位置を調えるとそれだけで心は落ち着きます。

これも今回独自の方法で試みてみました。

肋骨ほぐすことも大事です。

呼吸が深くなります。

まず肋骨に触れてもらうことから始めました。

そっと肋骨に手を置いているだけで、肺が膨らんだり凋んだりするのを感じてもらいました。

そして肋骨を両手で挟んで左右に動かし、ぐるぐる円運動をしたりして肋骨をほぐしました。

テニスボールをつかって座骨の周りを刺激して、座骨を鮮明にするように工夫しました。

最後に足に力を入れて息を吐くことをしました。

これは寝る禅に参加された方から、

「足首を直角にしてグッと押し出すようにした後、本当にビックリするほど氣が巡って、足の裏の感覚が明確になり、ここまではいつものイス坐禅で足の裏と対話したときに得られる感覚なのですが、その敏感な感覚が2日間持続したことには驚きました。

この感覚を多くの方に味わっていただきたいと思うのですが、イスに座って同じような効果を得られるように、何とか開発していただきたいと、切に願います。」

という要望をいただいていました。

これはどうしたらできるかずいぶん考えたのでした。

あれこれと工夫してようやくこれかなと思うのが出来ました。

そして皆さんに体験してもらいました。

まず自分自身とても足が充実しました。

そのあとイスで坐っても足がしっかり地についていると実感できます。

足が地について大地を踏んでいるという実感があると自ずと腰が立ち、頭のてっぺんまでつながるのです。

どっしりとして力まず、それでいてほどよい緊張が保たれていて、じつに良い坐禅になったのでした。

そしてそのあと立ってもその足の感覚がしっかり残っています。

歩いても失われません。

手をやわらかくしていますので上体は力まず、下が充実して上虚下実になっているのです。

次の日の朝起きても足がしっかりとしています。

足で大地に立っているという感じがします。

これは私自身大きな発見でした。

また今後のイス坐禅に取り入れていこうと思いました。

新たな工夫をするのは楽しいものです。

 
横田南嶺

足で大地に立つ – 新たな工夫 –

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