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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.03.07
今日の言葉

禅を読む講座

三月一日、湯島の麟祥院で、禅文化研究所主催の

「禅宗語録 入門講座 「禅を読む」」という企画を行いましたが、これは実に盛況でありました。

これはそもそも昨年禅文化研究所の創立六十周年の記念に、小川隆先生の『禅宗語録入門読本』を出版しましたが、その本を少しでも多くの方に知ってもらい、読んでもらおうと企画をしたのでした。

昨年の十月に出版した本で、出版記念というには少し時が経っていますが、是非とも開催しようと企画しました。

いろいろ打ち合わせて、三月一日の午後一時から四時までというとても長い講座となりました。

内容は盛りだくさんであります。

まずは体験講座が行われました。

『体で読む禅』「公案禅実践のためのウォーミングアップエクササイズ」と銘打って、禅文化研究所理事長の松竹寛山老師が御自らご指導くださいました。

そして第一講座が『禅の書物の読まれかた』「日本における禅籍の受容と応用」として国文学研究資料館准教授のディディエ・ダヴァン先生が講義をしてくださいました。

それから第二講座が小川先生で今回は

『禅の語録を読んでみる』「尋思去」というご講義でした。

そして最後に、『今、禅の語録をどう読むか?』と題して、小川先生と私とが対談をしました。

とても充実した内容でした。

会場は満席であり、そして三月一日というと寒いのではないかと心配していましたが、とても暖かな日で、皆さんも満足していただいたようで、すべてうまくいったという日でありました。

松竹老師の「公案禅実践のためのウォーミングアップエクササイズ」というのはとても親切な分かりやすい実践講座でした。

禅の修行において禅の語録を読むときには、書物を対象物として読むのではなく、そのものになって読むことが大事だとお示しくださいました。

実際にイスを二脚出して、片方のイスに向き合ってイスを置かれて、このように対峙しているだけではだめだというのです。

ときにそのイスの横になり、イスに向き合ったりして、イスになるのです。

そのものになるというのは、そのものの中に入っていくことであり、なりきることだというのです。

頭で理解してもダメで、ある時には、自分自身が趙州和尚になり、臨済禅師になりきるのです。

それだけでなく、鳥になり、木になり、時には風にもなります。

そんな読み方をします。

そのものになって言葉や声を発してゆくのです。

そのものになりきってゆくというのが、参禅の修行の眼目なのです。

台詞や動作を単に真似しているのではだめです。

語録に登場している人物になりきっているかどうかを、老師はただじっと見ているのです。

もっともはじめはマネから始まります。

マネから演じるようになり、やがてそのものになり、なりきってゆくのだと松竹老師は教えてくださいました。

そうすると外からみると迫真の演技に見えるのです。

そうしてなりきってゆくことによって、心が深く集中され深化してゆきます。

そのようになりきっていくことによってなくなるものがあります。

なにがなくなるかというと、松竹老師は「私」がなくなるのだと示してくださいました。

オレが、という自我がなくなるのです。

これが禅の修行の大事な所であります。

お経を読むにしても自分がお経になりきって読むのです。

庭を掃くときにも庭を掃くだけになりきって、自分がなくなってただ庭を掃く動作と音だけになってゆきます。

こんなところが禅の醍醐味です。

そこから皆で実践をしました。

声を出しながら般若心経の「ギャーテイ、ギャーテイ、ハラギャーテイ、ハラソウギャテイ、ボーディソワカ」と繰り返して読んでみました。

太鼓になりきって声を出してドン、ドドン、ドンドン、ドンとやってみたりしました。

それらを禅寺の一日の行事に合わせながら実践しました。

そうしてぞうきんがけや竹箒で庭を掃く所作や音を出しながら実践しました。

そして坐禅をしました。

基本動作として合掌、問訊、叉手当胸をして、背筋を伸ばして肩の上に頭をのせて印を結びました。

それからムーと声に出して坐ります。

声に力を込めて念じてみるのです。

それから公案の例として白隠禅師の隻手音声を実践しました。

両手を打つと音がするが、片手にどんな音がするかという問題です。

すっと片手を出して、「せ・き・しゅー」と声に力を込めてなりきります。

そして最後に松竹老師が、「如何なるか是れ仏」と問われて、皆で「か・ん・し・け・つー」となりきって声を出しました。

乾屎橛とは乾いた棒状の糞のことです。

そうして三十分のエクササイズが終わりました。

ダヴァン先生の講座は、おもに『臨済録』、『碧巌録』、『無門関』という今日日本で親しまれている禅の語録がどのようにして日本に受容されて読まれてきたかについて詳しく解説してくださいました。

『無門関』が中国ではほとんで読まれなかったのですが、日本で流行したという話は聞いていましたが、『臨済録』もまた中国ではそれほど読まれてはいなかったというのです。

それが『臨済録』は日本では大事にされて、今も『臨済録』についての書物が出されています。

小川先生の『臨済録の言葉』に至るまで紹介されました。

そしてなんと私の『臨済録に学ぶ』まで紹介していただいて恐縮しました。

それからたくさんの公案に参究するのが今の臨済禅の修行となっていますが、それは大燈国師からだということを教えていただきました。

今あたりまえと思っているのが必ずしも古来からのやり方ではないのです。

いろいろ学びを深めることができました。

そうして満を持して小川先生がご登壇されました。

小川先生の御講座についてはまた明日にいたします。

 
横田南嶺

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