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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.10.30
今日の言葉

一日勉強

先日は、円覚寺本山で戒名についての講座と、ハラスメントについての

おかげさまで一日勉強させてもらいました。

戒名については私が講師を務めて九十分講義と質疑応答を行いました。

若手の和尚さんたちと、修行道場の修行僧達とで50名ほどの受講でありました。

そもそも戒名とはなにかまず『広辞苑』で調べると、

「戒名」は、

「〔仏〕受戒の際に与えられる名。

本来生前に与えられるものであるが、平安末期から死者に対して与えられるようになった。

浄土真宗では戒を受けないので法名という。」

と書かれています。

仏教徒としての名前をいただくのです。

岩波書店の『仏教辞典』には精しく書かれています。

「もと、受戒した者に与えられた名。

この意味の戒名は<法名><法号>と同義。

法名は、中国・日本を通じてみられるように、仏教に帰依入信した者に授けられた。

したがって、浄土真宗や日蓮宗などのように通例の戒の授受を行わなくとも、戒名=法名を授けているし、戒名は出家・在家の区別なく与えられた。

戒名には2字の名が多かったが、出家の場合には、戒名=僧尼名のほかに諱(いみな)や房号・道号・字(あざな)などをもっている。」

と書かれています。

禅宗では出家すると諱をつけてもらい、更に和尚になると道号を授かります。

更に『仏教辞典』には、

「戒名=法名はもとより生前入信したときに与えられたが、在家の男女が死後、僧から<法名>を与えられることが行われるようになり、これをも<戒名>とよんだ。

この種の戒名は、日本では中世末期ごろからみられ、近世の檀家(だんか)制度のもとで一般的となり、戒名といえば、この死後授与の法名を指すようになり、むしろ法名・法号は出家の戒名を意味するようになった。

さらに戒名の下に、男性には居士(こじ)・禅定門(ぜんじょうもん)・信男(しんなん)・信士(しんじ)、

女性には大姉(だいし)・禅定尼・信女、子供には童子・童女などの号をつけ、戒名の上に院号・院殿号などを冠することも行われ、現代に至っている。

ただし真宗では、<釈>(男性)、<釈尼>(女性)の字を2字の法名に冠するのを通例とする。」

と解説されています。

ここにある通りもとは生前に仏教徒として入信したときに与えられていました。

それが臨終になって授戒することも行われるようになったのです。

日本では淳和天皇がそのはじめだとされています

淳和天皇は、西暦七八六年のお生まれで、八四〇年にお亡くなりになっています。

在位は、八二三年から八三三年までです。

承和七年(八四〇)臨終に出家されたのでした。

平安時代には、皇族や貴族のあいだでは、死に瀕して在家のままで戒を授かり出家となったのでした。

そののち、死後に在宅のままで剃髪して戒を授け出家とするようになっていったのでした。

円覚寺の開基である北条時宗公もまた、臨終に仏光国師戒師のもとで出家なされています。

落髪の法語などが佛光録に残されています。

戒名には、居士や大師という号がつきます。

「居士」というと、『仏教辞典』には、

もとはサンスクリットの「グリハパティ」で

「<家の主人>の意であるが、特に商工業に従事する資産者階級(ヴァイシヤ、吠舎(べいしゃ))を意味した。

経典などに出るこの語を中国では<居士>と訳した。

また(優婆塞(うばそく)と音写。

男性の在家(ざいけ)信者)の訳語としても用いられる場合がある。」

と書かれていて、

そして「今日では、特に禅を修行する在家の者によく用いる。

なお、男子の法名の下につけられ、<大姉>の対であるが、中国の禅録には、女居士の例もあった。」

というのであります。

『祖庭事苑』には、居士と呼ばれるための四つ徳が書かれています。

一には仕宦(官)を求めず。役人ではないことです。

二には寡欲にして徳を蘊(つ)む。欲をもとめず功徳にはげむことです。

三には財に居して大いに富む。財力のあることです。

四には道を守ってみずから悟る。仏道に精進し悟りを開くことです。

今でも実際に参禅修行して老師から居士号を与えられることもあります。

臨終に出家した淳和天皇というと散骨されたことでも知られています。

山田無文老師は『碧巌録提唱』の中で第十八則慧忠国師無縫塔の公案で、

「老衲が死んだら形見に残すものは何もない。

春は花、夏はホトトギス、秋は紅葉葉、皆咸く老衲の形見だからよく見てくれ。

良寛さんはそう詠われたそうだが、この全宇宙がそのまま墓だ。

全宇宙がそのまま老衲なのだから、老衲が死んだら全世界がそのまま墓だ。その墓の中には一切衆生ことごとく平等に暮らしている。

それは皆老衲だ。
特別に佛だの凡夫だのという差別はいらん。北極の果てから南極の果てまでぶち抜いている。」

と提唱されています。

また

「わしが死んでも墓などいらん。全宇宙がわしの墓で、その中に生きているものは皆わしだ。永遠にわしは生きておる。そこに慧忠国師の無縫塔があるはずであろう」と仰せになっています。

そのあとで、

「淳和天皇は遺言に「オレが死んだら墓を建てる必要はない。焼いて粉にして風の吹く日にまいてくれ。」と言われた。

昔の人は正直なものだ。

大原野の山の上で天皇を火葬にして粉にして、風の吹く日にまいたということである。

だから淳和天皇の陵は山全体が陵である。

山どころではない宇宙全体が墓だ。」

と提唱されています。

後に幕末の陵墓修復の際、小塩山山頂付近に大原野西嶺上陵(おおはらののにしのみねのえのみささぎ)と称する陵墓が築かれたといいます。

戒名について、あれこれと講義をして、皆さんから熱心な質問もいただきました。

そのあとは弁護士の先生をお招きしてハラスメントの講義を受けました。

ハラスメントの「ハラス」とは、「苦しめる、 悩ませる」ことで、

ハラスメントで「困らせること、 苦しめること、悩ませること」の意味だそうです。

パワーハラスメント
セクシャルハラスメント
マタニティーハラスメント
パタニティ・ハラスメント
ケアハラスメント
モラルハラスメント
カスタマーハラスメント

などなどいろいろあることを学びました。

また

「修行であれば何でも許される?」かとして、

「たとえば、修行僧は自ら修行がしたくて修行に来ているのであって、 お寺はそれを許可しているに過ぎず、修行が嫌になったら辞めれば良いのだから、修行はパワハラにあたらないという考え」を持っているかもしれませんが、

そうはいかないということでした。

「何をやっても良いという話にはなりません」のであって、

「修行関係であれ雇用関係であれ、一旦は社会的な関係を持った以上、優位な立場の者(会社、 上司、 お寺)は、弱い立場の者 (労働者、部下、修行僧) に思いやりや敬意をもって対応するという心構えが必要である」と学びました。

今の時代、修行道場であってもいろいろと配慮しないといけません。

いろいろと学ぶ一日でありました。

 
横田南嶺

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