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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.02.11
今日の言葉

四大聖地へ

お釈迦様は、この二月十五日、クシナガラで涅槃にお入りになりました。

クシナガラでは、いよいよお釈迦様が涅槃に入られるのを覚悟して、お弟子の阿難尊者が、お釈迦様がお亡くなりになったあと、「わたしたちは、心の修行を積んだ修行僧の方々にお会いすることはできないでしょう。またお仕えすることもできないでしょう。」と申し上げました。

するとお釈迦様が、

「アーナンダよ。信仰心のあるまじめな人が実際に訪ねて見て感激する場所は、この四つである。その四つとはどれどれであるか?

〈修行完成者はここでお生まれになった〉といって、信仰心ある良家の子が実際に訪ねて見て感激する場所がある。

〈修行完成者はここで無上の完全なさとりを開かれた〉といって、信仰心ある良家の子が実際に訪ねて見て感激する場所がある。

〈修行完成者はここで教えを説きはじめられた〉といって、信仰心ある良家の子が実際に訪ねて見て感激する場所がある。

〈修行完成者はここで煩悩の残りのないニルヴァーナの境地に入られた〉といって、信仰心あるまじめな人が実際に訪ねて見て感激する場所がある。

アーナンダよ。これらの四つの場所が、信仰心ある良家の子が実際に訪ねて見て感激する場所である。

アーナンダよ。信仰心ある修行僧・尼僧たち、在俗信者・在俗信女たちが、〈修行完成者はここでお生まれになった〉、〈修行完成者はここで無上の完全なさとりを開かれた〉、〈修行完成者はここで教えを説きはじめられた〉、〈修行完成者はここで煩悩の残りのないニルヴァーナの境地に入られた〉といって〔これらの場所に〕集まってくるであろう。」

とお説きになっています。

中村元先生の『ゴータマ・ブッダ下』(春秋社)にある大涅槃経の言葉です。

四大聖地とは、お釈迦様の生誕なさった地であるルンビニーと、成道の地であるブッダガヤと、初めてお説法なされたサールナートと、涅槃にお入りになったクシナガラの四つであります。

仏弟子は、お釈迦様をお慕いして、この四つの聖地をお参りするようになっていったのでした。

このたび、この私も今年還暦を迎えるにあたって、この四大聖地をお参りすることになりました。

円覚寺におります私には還暦というのは特別な思いがあります。

御開山仏光国師は満六十歳のご生涯でした。

敬慕する釈宗演老師もまた六十歳でありました。

そんなことを思うと、六十歳まで生きられたことには感慨が深いのであります。

ここで一度お釈迦様のところにお参りしようと思ったのでした。

二月のはじめから七日ほどで四大聖地をお参りしてきました。

この間の管長日記は、すべて出発する前に書きためておいたものであります。

これからは、しばらく四大聖地の話を書かせていただきます。

建仁寺の御開山栄西禅師は、文治3年(1187年)、二度目の入宋をなさっています。

この時には、日本の仏教もお釈迦様の教え本来の正しい姿に立ち返るべきだと、インドへの渡航を願い出ました。

しかし、それは許可されず、そこで天台山万年寺に行って虚庵懐敞禅師に師事されたのでした。

結果、この虚庵禅師から禅の教えを受けて、日本に臨済の禅を伝えてくださったのでした。

明恵上人もまた、お釈迦様をお慕いしていた方であります。

お釈迦様をお慕いしてその思いが強くて、二度にわたってインド行きを計画されています。

『印度行程記』という旅程書をお書きになっていて、そこには長安からインドへ辿りつくまでかかる日数や距離などが綿密に計算されているそうです。

紀州の鷹島で修行した頃、海はインドとつながっているとの思いから、浜辺で拾った石を持ち帰って、終生手元に置いていたといいます。

円覚寺の釈宗演老師は、明治三八年(一九〇五)、四七歳のときに、建長寺と円覚寺の両派管長を辞して、東慶寺にお遷りになりました。

その六月からアメリカに行き、そこではルーズベルト大統領とも会見し、更にヨーロッパを回って、その帰り明治三九年(一九〇六)にインドにお参りしています。
明治三十九年八月一日に印度佛陀伽耶の塔前に於て、発願文をお作りになっています。

まず第一に「願わくは如来が曾て一点無縁の大慈悲心を以て衆生を救濟し給いしが如く、我も亦永劫不退転の信心に住して一切衆生を度脱せしめん。」と願っています。

お釈迦様が大慈悲の心をもって人々を救おうとなされたように、一切の衆生を救ってゆこうと誓われました。

その次に「そもそも一切衆生を度脱せしめんには、須く己が無始より以来熏習せる八万四千の一切の煩悩を、利刀の乱麻を断つが如く其の根蔕(こんたい)より断ぜざるべからず。」いって、一切の衆生を救うには、まず自分自身の煩悩を断たないといけないと誓うのです。

「已に一切の煩悩を断尽せんと欲せば、須く華蔵法界龍宮海蔵八万の法門無量の妙義より、乃至世尊拈華迦葉微笑の端的を明めざるべからず。」といって、煩悩を断じるためには、あらゆる教えを学んでゆこうと誓うのです。

「已に無量の法門を学得し、無尽の煩悩を断尽し、又無辺の衆生を度脱せしめんと欲するも、若し諸佛無上の妙道を成就するにあらずんば、万が中(うち)一にもその誓願を遂ぐること能わず」といって、この上ない仏道を成就してゆこうと誓われています。

これは四弘誓願であります。

ブッダガヤで宗演老師は、この四つの願いを新たに誓われたのでした。

 
横田南嶺

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