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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.02.12
今日の言葉

走る、走る

臨済宗の修行道場というのは、それぞれの指導者である老師によって、その指導方法は様々であります。

ゆっくり歩いていると叱られて、いつも小走りでないといけないと指導される老師もいらっしゃいます。

円覚寺の先代の老師は、修行僧が走ると厳しくお叱りになっていました。

どちらもそれぞれの家風であります。

今からもう九年前のことになりますが、京都マラソンの併設大会として「interFaith駅伝~平和を願い祈るの駅伝~」というのが開催されたのでした。

これが、私がランニングをすることになった一番のきっかけでありました。

interFaith(諸宗教間交流)駅伝とは、異なる宗教者(仏教・神道・キリスト教等)で4人1チームをつくり、世界平和を願うタスキをつなぎながらゴールを目指す駅伝なのです。

マラソンをきっかけに宗教の枠を越えて、世界平和を願うことを目的としているものであります。

この第一回が、2014年の2月に京都で開催されたのでした。

仏教については、全日本仏教会が関わることになりました。

当時、私は、全日本仏教会の副会長でありました。

会長は、比叡山の半田孝淳座主さまでありました。

当時の半田座主は、九十六歳のご高齢でありましたので、副会長の私が走ろうということになったのでした。

ところが、それまで全く走ったことなどありませんでしたので、けっこう苦労したのでした。

フルマラソンのコースを四人で走るので、一人で約十キロを走らないといけません。

十キロを走るというのは、どんなものか全く分からなかったので、皇居のまわりを二周走ってみたのでした。

かなりたいへんだったことを覚えています。

それを何度も練習して、どうにか京都で十キロを約一時間ほどで走ったのでした。

一番のたすきがキリスト教の方で、二番目が仏教の代表の私、三番目は神道の方、四番目にイスラム教の方でありました。

それから、ちょいちょいランニングをするようになったのでした。

コロナ禍の前までは、上京した折に、皇居のまわりを一周走ったりしたものでした。

今でもどこかに宿泊すると、朝早い内に、その周辺を三キロか四キロくらい走ったりしているのです。

そこで、円覚寺にある幼稚園のマラソン大会にも毎年出場することにしているのであります。

今年もよいお天気に恵まれて、気持ち良く走ることができました。

幼稚園の子ですので、そんな長い距離を走るわけではありませんが、年少さんから、年中さん、年長さんとそれぞれのクラスが走るのをすべて一緒に走らせてもらっているのです。

別段なにも言わずに、ただ走るだけなのですが、この季節の楽しみの一つなのです。

マラソンを行った翌日、兵庫県豊岡市出石というところにある臨済宗大徳寺派の宗鏡寺の和尚さまがわざわざ訪ねてきてくださいました。

なんと布薩について学びたいということなのでした。

布薩については何度か紹介したことがあります。

布薩はもともと毎月新月と満月の日に、仏弟子たちが集まって、戒の条文を読んで、お互いが戒にもとる行いがなかったかどうか、確認して反省する儀式のことです。

円覚寺でも新月満月の日ではありませんが、毎月二回行っています。

修行道場では毎月二回朝早く行っているのです。

いつも建長寺派の和尚様が数名参加してくださっています。

その布薩を学びたいというのですから、驚いたのでした。

修行道場で行っている時にお越しいただいてもいいのですが、それは朝早いので、ご都合のよい時にお越しいただいて講習してさしあげることにしたのでした。

豊岡から車でお越しになっていましたので、とても時間がかかったと思います。

そんな遠くから、布薩について知りたいと願って車を走らせてくるのですから、とても熱心な和尚様なのでした。

そこで、日中にお越しいただいて、一度修行僧達と共に布薩を体験していただいて、そのあと歓談をさせてもらいました。

宗鏡寺の和尚様は今の時代には珍しく、中学生の時に大徳寺の中にあるお寺に小僧として修行に行ったという方です。

宗鏡寺は、かの有名な沢庵和尚のお寺であります。

たくあん寺とも呼ばれているそうなのです。

お土産にいただいたのも、やはりそのたくあんでした。

いただくと、とてもお塩がしっかりきいている、修行道場のたくあんのようでありました。

沢庵和尚については、『広辞苑』に、

「江戸初期の臨済宗の僧。諱は宗彭。

但馬の人。

諸大名の招請を断り、大徳寺や堺の南宗寺等に歴住。

紫衣事件で幕府と抗争して1629年(寛永6)出羽に配流され、32年赦されてのち帰洛。

徳川家光の帰依を受けて品川に東海寺を開く。書画・俳諧・茶に通じ、その書は茶道で珍重。著「不動智神妙録」など。(1573~1645)」

と書かれています。

徳川家光公の帰依を受けられた高僧なのです。

たくあん漬けについては『広辞苑』には、

「漬物の一種。干した大根を糠と塩とで漬けて重石でおしたもの。

沢庵和尚が初めて作ったとも、また「貯え漬」の転ともいう。

たくあん。たくわん。」

と書かれています。

沢庵和尚が作ったというのは、ほんとうですかとうかがうと、江戸時代の終わり頃に、そのような記述が残されているとのことです。

宗鏡寺の和尚様は、私のYouTubeもとても熱心に聞いてくださっているようでした。

そこで布薩に興味を持ったということです。

お寺を開放して、坐禅会、写経会も熱心に開催されているとのことでした。

また竃でご飯を炊くという体験も行っているようなのです。

布教に熱心な方は、学ぼうという志も強いものです。

また熱心に活動されている方というのは表情が素晴らしいのです。

笑顔のとても素敵な和尚様でした。

きっとこの和尚様のところには大勢の人が集まってくると感じました。

こうして遠方より学びに来るその熱意に打たれました。

2月は、寺の行事は少ないのですが、コロナも慣れてきたこともあって、諸方からお招きを受けているものが多くて、私も2月は半分くらいは、あちらこちらと出掛けなければなりません。

幼稚園で走り、わざわざ遠方より馳せ参じてくださる和尚に感激し、更に自分も東奔西走ではありませんが、頑張って走るのであります。

 
横田南嶺

走る、走る

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