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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.08.13
今日の言葉

良い日 – 日々是好日 –

良い日というのがあるものだと、しみじみ感じる時がありました。

先日のことであります。

まずは花園大学特任教授の佐々木閑先生ご夫妻にお越しいただいたのでした。

今年の円覚寺夏期講座に佐々木閑先生にご講演をいただいて、その講演のあとに佐々木先生ご夫妻を円覚寺の国宝舎利殿にご案内いたしました。

佐々木先生の奥様でいらしゃる佐々木日嘉里先生は、建築の学者でいらっしゃいます。

ですから、舎利殿を直にご覧になって、とても感激されていました。

そして、禅人というサイトに、国宝舎利殿のことを詳しく紹介してくださっていました。

禅寺建築探検隊特別編:国宝 円覚寺舎利殿というものです。

それを私も拝読して、これを動画でつくりたいと思ったのでした。

佐々木先生に実際の舎利殿において、私が聞き役になって、禅宗建築の特徴魅力を聞く動画をつくろうと思ってお願いしたところ、ご快諾をいただいたのでした。

そこで、暑い夏の日になってしまいましたが、日の暮れかかる頃から舎利殿の解説をしていただき、それを撮影しました。

なんとありがたいことに、佐々木閑先生もお越しくださって、動画のはじめに仏舎利について語っていただきました。

暑い中ご無理なお願いをしましたので、新幹線でお越しくださる先生を新横浜駅までお迎えに行き、その道中も撮影の前後も佐々木先生ご夫妻といろいろなことについて話い合うことができました。

とりわけ佐々木閑先生とは、昨今話題の宗教の問題について語り合いました。

私どもは、他の宗教の批判はしないようにしているので、自分たちの学ぶ仏教の問題点、特に大乗仏教になってからの問題点などについていろいろお話を伺うことができました。

それまでの仏教からみれば、大乗仏教は当時としては新しい宗教でした。

新興の宗教だったのです。

どのように教義を発展させたのか、またその発展の仕方によっては後の世に誤った方向へと導くものもあったことを検証しました。

また何かの機会にまとめてみたいものです。

舎利殿についての動画は秋の舎利殿一般公開の頃までには出来るかと思っています。

お昼から夕方まで佐々木先生ご夫妻とご一緒させてもらって有り難い日でありました。

終わってみると、これまた有り難いことに、春秋社から、私の最近だした『禅と出会う』という本が増刷になるという知らせがありました。

これはうれしいことであります。

なかなかこの頃は紙の本の売れ行きがよろしくない御時勢でありますので、増刷は有り難いのです。

しかも一緒に私の最初の本である『祈りの延命十句観音経』もまた増刷というのであります。

この本はもう八年も前に出した本ですが、春秋社というところは、今もこうして版を重ねてくれるのであります。

こんな有り難いことはないと感慨にふけっていると、須磨寺の小池陽人さんから、新しい法話の原稿を教えていただきました。

そこに先日私が突然須磨寺を訪ねてきて驚いたという話が書かれていました。

岡山で講演をして、次の日に京都に向かう途中で須磨寺に立ち寄ったのでした。

声も掛けずにお参りだけしようと思ったのでしたが、ちょうど護摩祈祷がなされていたので、護摩堂にお参りしたのでした。

その時のことを、小池さんが

「その日、十八日(観音様の縁日)で護摩の導師でありました。

護摩の修法の途中に、お参りの方に内拝していただくのですが、内拝されてきた最後の方の後ろ姿が目に入りました。

衣姿だったのです。

「お坊さんがお参りにきてくださったのかな」と思っておりましたら、その方がくるっと振り返ると、何と横田猊下だったのです。

目が合い、びっくりして心臓が止まりそうになりました。」

と書かれています。

改めて小池さんの原稿を拝読して、ずいぶんと失礼なことをしたものだと今更ながら深く反省しました。

その小池さんの法話の原稿の内容がまた素晴らしいものであります。

まだこれからなされる法話なので、その内容については差し控えさせてもらいます。

有り難い法話の内容を拝読して、更にその日に、花園大学での般若心経講義の第三回が公開されました。

実に良いことが立て続けにあった一日でありました。

禅語には「日々是れ好日」という言葉がありますが、これは決して毎日都合のいい日ばかりという意味ではありません。

山田無文老師は

「空襲じゃあるまいが、空から火の玉が降って来ようが、日々是好日と頂かねばしょうがない。

目の前で幼稚園に行く子供が車に轢き殺されたら、泣かずにおれんが、涙の中をそのまま日々是好日と頂かねばしょうがない。

それができるか、どうかじゃな」

と提唱されています。(禅文化研究所『無文全集』第一巻)

また朝比奈宗源老師は、

「これは、本当言うと、結構づくめのことが、日々好日なんて、そんなことがあるはずはないんです。

天気にしたって、雨も降れば風も吹く。台風の日もありゃ地震もくる。

いわんやわれわれの生活の上においておや。

泣いても泣いても泣ききれん。

悔しくて悔しくてたまらん日もある。

そういうときなお、日々是好日の消息を知らなきゃ、この句は通らん。

いいですか。決して、ただ好いことばかりあるから「日々是好日」なんていうことじゃない。」

と説いてくださっています。(山喜房仏書林『碧巌録提唱』)

そのような現実こそが人の世なのですが、時にうれしいこと、有り難いことがあるのもまた現実です。

そんな日もあるので、また頑張ることもできるものであります。

 
横田南嶺

良い日 – 日々是好日 –

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