一口法話
【一口法話:第三十一回】生きてゆく力がなくなる時
私が坂村真民先生とのご縁が結ばれたきっかけについてお話します。
昭和五十六年、『生きてゆく力がなくなる時』という真民先生の本が出版されて、その本を読んで感銘を受け、先生に手紙を書いたのが、ご縁の始まりでした。
この『生きてゆく力がなくなる時』という題に、心ひかれました。
人は誰しも、生きてゆく力がなくなる時を経験して、それでも生きてゆくのであります。
新聞に、昨年自殺した小中高生の数が、統計のある昭和五十五年以降で最多となったと書かれていました。
原因や動機については、学業不振や進路に関する悩みが上位だったということです。
生きづらい世の中になっているのかもしれません。
生きてゆく力がなくなる時を経て、静かに坐って、明日を思う心を出して、どうか一歩前に踏み出して欲しいと願います。
横田南嶺