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臨済宗大本山 円覚寺

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2021.03.10
今日の言葉

心の健康を守る為に

緊急事態宣言が、関東一都三県で延長となりました。

昨年の春頃に、山中伸弥先生が、新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではなく、長いマラソンだということを言われていたことを思い出します。

その当時は、そんなにかかるのかなと漠然ととらえていましたが、段々と実感させられています。

緊急事態宣言の間には、毎日書いている管長侍者日記の文章を読んで、呼吸瞑想をしようと思って配信を続けています。

私が思っていた以上に多くの方が聞いてくださっているようであります。

コロナ禍で在宅勤務のため、心のよりどころとして、毎日のYouTubeで「管長日記」を聴いて深呼吸して心を調えていますという感謝のお手紙をいただいたりしています。

有り難いことであります。

何かお役に立てることはないかと思って始めたことであります。

誰か一人でも、よかったと言ってくだされば、これ以上の喜びはありません。

月刊PHP誌には、最近毎月禅語の連載を書かせてもらっています。

PHPには、いろんな種類がございまして、古くからある月刊PHPのほかに、「PHPくらしラク~る」や「PHPのびのび子育て」それに、「PHPからだスマイル」などがございます。

このたび「PHPからだスマイル」の四月号に、私の文章を載せてもらっています。

四月号の特集が、

「コロナ時代の新健康習慣」というものです。

「コロナ」という言葉は、見るのも聞くのも、気が滅入るのですが、避けることはできません。

お釈迦様が、

こころこめ 
葺かれたる家に 
雨はふるとも 
漏れやぶることなし 
かくのごとく 
よくととのえし心は 
貪欲も破るすべなし 

と説かれているように、降る雨を止めることはできないのですが、雨が降っても漏れることのない屋根を作っていれば、安心して中で暮らすことができます。

コロナを無くす力は無いのですが、感染に気をつけて、お互いの免疫を高めた暮らしをすることが今大事なのであります。

からだスマイルの今月号の巻頭に、医学博士の川嶋朗先生が、生活習慣の大切さについて書かれています。

このコロナ禍にあって、インフルエンザが流行しなかったのでした。

これには、「ウイルス干渉」という現象があって、あるウイルスに感染すると、他のウイルスに感染しづらくなるということがあって、新型コロナとインフルエンザとは同時流行しないという説があるのだそうです。

しかし、それ以上に大きな理由があるのだそうです。

川嶋先生は、私たちの健康意識が大きく変わったことだというのです。

外出時にマスクをつけ、手洗い、消毒、人との距離を保つように意識するようになったのです。

このように生活習慣を変えると、病気を予防し、健康を維持できるのだということです。

その例として、北海道の夕張市のことを書かれていました。

これはあまり良い例とは言い難いのですが、参照しましょう。

夕張市は、2006年財政破綻して、地域の病床数が約九分の一まで減ってしまいました。

171床の私立総合病院が閉院となり、19床の私立診療所と三人の開業医だけになったというのです。

これはたいへんなことになると思われますが、実際には病床は半分も埋まらず、市民の死亡総数と死亡率には変化がなかったらしいのです。

川嶋先生は、おそらく「病院がないので、病気にならないようにしよう」と市民の健康意識が高まったからでしょうと指摘されています。

意識と習慣を変えれば、病気にかかりにくくなるのですと川嶋先生は書かれていました。

「病は気から」とは昔から言われることですが、それに「習慣」が加わるのです。
「生活習慣病」という言葉があるのも頷けます。

よい健康習慣として、PHPからだスマイル誌には、「よい食事」、「よい運動」、「よい睡眠」が挙げられていて、それぞれ丁寧な解説がございます。

私が担当した記事は、「心の健康を守るために大切な六つのこと」という題であります。

「長く続いた自粛生活のストレスが、体だけでなく心の健康にも、深刻な影響を及ぼしています。いまの私たちにできる対処法をお聞きしました」

とサブタイトルがついています。

今年になって、インタビューを受けて答えたものを、まとめてくださったのでした。

「長く続いた自粛生活」と書かれていますように、この原稿ができた時点では、この四月号が発売される三月十日頃には、緊急事態宣言も解除されていると思っていたことが分かります。

「長く続いている自粛生活」なのであります。

六つというのは、

一、考え方を変えてストレスを軽くする

二、大自然に目を向ける

三、腰を立てて活力を満たす

四、喜びや感動に満ちた呼吸をする

五、笑顔と歩きでつらい日々を乗り切る

六、攻めの姿勢で新しい世界を開く

というものです。

一の考え方を変えてストレスを軽くするという章では、

「仏教は、『世の中は人間の都合良くつくられてはいない、自分の思い通りにはならないのだ』と説きます。

自分中心に考えてばかりでは問題は解決しません。

ままならない現実を受け入れることが大切です。

例えば人間は地球の新参者です。

ウイルスのほうがずっと先に存在していました。
そのように視点を変えれば、コロナに対する怒りも少しやわらいで、ストレスも軽くなるでしょう」

と書いています。

ウイルスといってもこのたびの新型コロナウイルスについては、いろんな説がありますので、単純にこのように受けとめることは難しいのかもしれませんが、あまり怒りを起こしては、自らの心身を痛めることになります。

三の腰を立てて活力を満たすという章では、

「人間は倒れて起き上がろうとするときに、一番きれいに腰が立ちます。

腰を立てるのは、「よし、やるんだ!」という気力が姿に現れることでもあります」
と書いています。

「腰が丸まって前かがみになると、表情も暗くなってしまいます。

「これはいけない」と感じるたびに腰を立てましょう。活力がみなぎってきます」
と書きました。

四の呼吸についても、

「何秒吸って何秒吐く」というセオリーに無理にあわせるよりも、空気が体にゆきわたる喜びや感動のある自然な呼吸をしたいものです。

それが心を整えるコツにもなります」

と書いています。

これらは毎朝に呼吸瞑想でも伝えているところであります。

お互いに、体と心を調えて、このコロナ禍を乗り切ってゆきましょう。

 
横田南嶺

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