【一口法話:ライブ配信】力無きままに
こちらはライブで行います。
東日本大震災からちょうど十年の日であります。
震災十年に思う事を語りたいと存じます。
あの日、そしてあの日以来いろんなことを思ってきました。
多くの出会いもございました。
気仙沼地福寺の片山秀光和尚との出会いも忘れ難いものです。
片山和尚に届けた延命十句観音経の写経からご縁が始まりました。
延命十句観音経は、
観世音
南無仏
与仏有因
与仏有縁
仏法僧縁
常楽我浄
朝念観世音
暮念観世音
念念従心起
念念不離心
というわずか四十二文字のお経です。
延命十句観音経を改めて読み直し、何度も法話をくり返すうちに、延命十句観音経意訳を作りました。
延命十句観音経 意訳
観音さま
どうか人の世の苦しみをお救い下さい
人の苦しみをすくおうとなさる
そのこころこそ
仏さまのみこころであり
私たちのよりどころです
この仏さまのこころが
私たちの持って生まれた本心であり
さまざまなご縁にめぐまれて
このこころに気がつくことができます
仏さまと 仏さまの教えと
教えを共に学ぶ仲間とによって
わたしたちはいつの世にあっても
変わることのない思いやりの
こころを知り
苦しみ多い中にあって
人の為に尽くす楽しみを知り
この慈悲のこころを持って
生きることが
本当の自分であり
汚れ多き世の中で
清らかな道であると知りました
朝に観音さまを念じ
夕べに観音さまを念じ
一念一念 何をするにつけても
この思いやりのこころから行い
一念一念 何をするにつけても
観音さまのこころから離れません
その後、気仙沼の地福寺様にお見舞いにゆくと、本堂に延命十句観音経の意訳を印刷した紙が置かれているのを拝見しました。
皆で唱えているのだというのです。
それならもう少し唱えやすいものを作ろうと思って、延命十句観音和讃を作りました。
延命十句観音和讃
大慈大悲の 観世音
生きとし生ける ものみなの
苦しみ悩み ことごとく
すくいたまえと いのるなり
苦しみのぞき もろともに
しあわせいのる こころこそ
われらまことの こころにて
いのちあるもの みなすべて
うまれながらに そなえたり
ほとけの慈悲の 中にいて
むさぼりいかり おろかにも
ほとけのこころ 見失い
さまようことぞ あわれなる
われら今ここ みほとけの
みおしえにあう さいわいぞ
おしえを学ぶ 仲間こそ
この世を生きる たからなり
われを忘れて ひとのため
まごころこめて つくすこそ
つねに変わらぬ たのしみぞ
まことのおのれに 目覚めては
清きいのちを 生きるなり
朝に夕べに 観音の
みこころいつも 念ずなり
一念一念 なにしても
まごころよりは おこすなり
一念一念 観音の
慈悲のこころを 離れざり
この和讃がまた多くの方にご縁を結ぶようになってゆきました。
十年を振り返りながら、語りたいと考えています。
せっかくのライブ配信でありますので、終わりには、また皆さまのお声もチャットを使ってお聞かせくだされば幸いに存じます。
横田南嶺
■詳細情報
日時 | 3月11日(木) 午前8:00~ |
URL | https://youtu.be/gBNOb24UccI |
参加方法 | 当日午前8時までにスマートフォン、パソコンより上記URLにアクセスください。 |
その他 | 変更等がありましたら、ホームページの「管長侍者日記」にてご連絡いたします。 |