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臨済宗大本山 円覚寺

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2020.12.20
今日の言葉

踊り

毎日新聞に田中優子先生が、「江戸から見ると」というコラムを書いてくださっています。

これがいつも勉強になって、参考にさせていただいています。

先日も

「今月の12月15日は旧暦で11月1日だ。

江戸時代では顔見世狂言開催の日である。

この日は、アメノウズメの踊りを見た人々の感嘆の声を聞いたアマテラスがとじこもっていた岩屋戸を開け、そこから引き出された日とされ、歌舞伎の始まりとされた。

これは当時の天空の比喩でもある」

と書かれていました。

坂村真民先生は、晩年に「大宇宙大和楽」ということを説かれるようになりました。

これは、真民先生が八十一歳の時に宮崎県にある高千穂神社を訪れた際に夜神楽をご覧になって感銘を受けて、更に熊本の弊立神宮にお参りして、大宇宙大和神という神さまが祀られていることを知って感嘆されました。

そこで大宇宙大和神と夜神楽から受けた神気とが合わさって、この世は「大宇宙大和楽」であるという独自の言葉になったのでした。

この高千穂神社の夜神楽というのが、アマテラスの話なのです。

アマテラスが天岩戸に閉じこもってしまい、この世は闇になってしまって、何とかしようと、アメノウズメが舞うのです。

それを見た神々が高天原が鳴り轟くように一斉に笑ったのでした。

その声につられてアマテラスが岩戸を開けられ、アメノタヂカラオがアマテラスをひきづり出して、世界に明るさが戻ったというのです。

これを神楽で演じているのでした。

高千穂神社の夜神楽は、毎晩行われています。

素朴なものですが、心打つものでありました。

私も、大宇宙大和楽の源を訪ねようと、高千穂の夜神楽を拝見して、弊立神宮にもお参りしたのでした。

懐かしく思い起こしました。

禅語には、「舞」を詠う表現がよくございます。

思いつくものでも、

南山に鼓を打てば、北山に舞う。

石女舞い作す、長寿の曲。

彩鳳、丹霄に舞う。

灯籠上に舞を作し、露柱裏に身を蔵す。

などなどがあります。

舞と踊りとは、異なるものだそうです。

いろんな説があります。

舞は円を描くものであり、踊りは跳躍するものだという解説もあります。

踊りというと、一遍上人の踊り念仏を思い起こします。

ともはねよ かくても踊れ こころ駒 
  みだのみのりと きくぞうれしき

と詠われた一遍上人であります。

ともかく、はねて踊れと詠われたのでした。

この踊り念仏が、今日の盆踊りのもとになったとも言われています。

ギリヤーク尼ヶ崎という大道芸人の方がいらっしゃいます。

この方が前管長の足立大進老師と親交がありました。

私が雲水で修行していた頃に、足立老師のところにお見えになって、私がお茶を出したりしたことを覚えています。

今から二十数年前に、このギリヤークさんのDVDを作成されるのに、足立老師が題字を書かれていました。

そのご縁で、このたび、ギリヤークさんが九十歳の記念映画を作られることになって、その題字を私が書くことになりました。

先日見本が送られてきました。

ギリヤークさんは、投げ銭で生活されるという清貧枯淡な暮らしをされているそうです。

しかし、その踊りは激しく、大地に身をたたきつけるようなものです。

「念仏じょんがら」などは、実に鎮魂の祈りです。全身全霊で祈りをささげるものです。

私も修行時代に、足立老師にその映像をみせてもらったことがあります。

足立老師は、きっとその清貧枯淡な暮らしぶりと、自分の芸を極めようという純粋な思いと、全身全霊を捧げる祈りの姿に、心ひかれたのではないかと思っています。

ギリヤークさんは、足立老師よりは二歳年上でいらっしゃいますが、今も大道で踊っておられるのです。

舞や踊りには、いのちの躍動が感じられるものです。

坐禅というのは静かなるものでありますが、しかし、そのうちには、躍動するものが込められているのであります。
 
横田南嶺

踊り

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