感情の伝染
先日の二十二日には、「感情の伝染」というタイトルで、書かれていました。
まずアメリカの大統領選挙について触れて、トランプ氏の話し方と言葉について書かれていました。
海原先生がいつも気にしていて、そしてとても不快だったのは、トランプ氏の話し方と言葉だったというのです。
「ひとさし指を伸ばして相手にむけるあの仕草。高圧的で、相手との対等なコミュニケーションは無理な仕草だ」
と書かれています。
そして、「相手を非難する言葉も、完全に「アウト」の単語で、パワハラ、セクハラであることは間違い無い」というのです。
そうなると海原先生は、
「こうした態度で話す組織のトップの影響がどうなるのだろうと心配していた」というのです。
「トップの影響というのは、とても大きく、想像以上のことがある。
企業のトップがパワハラすれすれの行動をとる企業では上司のパワハラで悩む部下多かったりする」
と指摘されています。
長らく修行道場という特別な環境に身を置いてきた私などは、上司からのパワハラなる言動振る舞いには、すっかり馴れきってしまって、トランプ氏を見ても、それほど特別に思わないのでした。
これは恐ろしい馴れだと反省しました。
企業だけでなく、家庭はもちろん、趣味の同好会や、社会人向けの文化教室でも、指導者が礼節を欠いて相手の人格を否定するような言動で接すると、その態度はみんなに影響して、その場がすさんだものになるというのです。
「感情が伝染する」ことについては、多くの研究があるそうです。
「また、態度についても同様で、良い態度も、悪い態度も人々の間で波のように拡がっていくとされている」というのです。
「パワハラの企業トップがいると、その影響が、波のように拡がっていくのは、そのためなのである」と指摘されています。
更に海原先生は、
「だからこの4年間、トップが使う攻撃的な言葉でアメリカの人々がどのように影響されたのか、それを思うと胸が痛む。
無礼で人格を否定するような態度によって生じた記憶は脳にインプットされ焼きついてしまうとされる」
と懸念されています。
ではどうしたらいいのか、
「それを救済するのは、悪い記憶を上書きできる「良い記憶」である。
嫌な態度をみたら、意識的に、温かい言葉や気分を良くするすがすがしい態度に触れることだ」
ということです。
どうにも不愉快な人というのはどこにでもいるものです。
そんな人に接することなく過ごせたら、これに越したことはありません。
しかし、どうしても出合ってしまったら、意識して、良い言葉に触れるように、清々しい人に接するように心がけたいものです。
一輪の花に触れるのも良いことでしょう。
ブッダの言葉を紐解くのも良いでしょう。
坂村真民先生の詩の言葉に触れてみるのもきっと良い影響をもたらすことでしょう。
横田南嶺