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臨済宗大本山 円覚寺

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2020.11.03
今日の言葉

愛について

全日本仏教会という組織がございます。

日本仏教の五十九の宗派が加盟しています。

各本山の管長が持ち回りで、会長や副会長を務めています。

私も一時期副会長を務めました。

その時の会長が、比叡山の半田孝淳座主でいらっしゃいました。

天台座主というと、日本仏教の頂点の方でいらっしゃいます。

とても私如きが、親しくできるものではありませんが、役目柄行事のたび毎に、座主の隣席に坐らせていただき、親しく会話もさせていただいたのでした。

あの全日本仏教会副会長時代には、会長の天台座主をはじめ、広く他宗派の方々ともご縁をいただいて、それまで狭い修行の世界にしかいなかった私には、大きな眼を開かせていただきました。

しかしながら、その頃の私はまだようやく五十になる頃で、九十を超えた座主の後を歩くのは、いつも恐縮していました。

ただいまの、全日本仏教会会長は西本願寺の大谷光淳門主でいらっしゃいます。

ご門主は、1977年のお生まれですので、まだ四十代であります。

今年の四月から会長にご就任されています。任期は二年。

ご就任の記念に、会長ご揮毫の扇子とご著書を送っていただきました。

本は、『令和版 仏の教え 阿弥陀さまにおまかせして生きる』という題です。

幻冬舎からの出版で、

「どうしたらどん底から立ち上がる力を得ることができますか?

人は死んだらどうなるのですか?

よいことをするとご利益はありますか?
悪いことをするとバチが当たりますか?」

などといった質問にご門主が答えるという形になっています。

その質問の中に、

「仏教では「愛」について、どのように教えているのですか?」

という項目がありました。

ご門主は、「仏教では「愛」も深いとらわれの心、執着の一つとしてとらえています」
と答えられています。

これはその通りなのです。

ご門主は、『ダンマパダ』の句をあげて説明してくれています。

「愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生ずる。愛するものを離れたならば、憂いは存在しない。どうして恐れることがあろうか?」

の一句であります。

そして、「私たちが最後まで捨てきれない煩悩は愛なのかもしれません」

と結んでおられます。

ご門主の説かれていることは、仏教に於ける「愛」についての模範解答と言ってもよいほど完璧であります。

その通りなのです。

しかしながら、釈宗演老師は、この「愛」にも積極的意味を持たせて、仏教の究極である「慈悲」に通じるものとして説かれています。

宗演老師には、「愛」の一字を大暑した墨跡がございます。

普通であれば、煩悩の一つでありますので、この一字を大書することはありません。

それを敢えて大書して、その下に小さく、

「仏云く、仏心は大慈悲是れなり」と書かれているのです。

宗演老師にとっての「愛」は、実に仏の大慈悲と一つだということなのです。

多年宗演老師に師事された鈴木大拙先生も、宗演老師を偲んで、

「(宗演老師には)一種の愛があったことを今でも忘れぬ。

此の愛を何かに付けて予は感じた。

予が米国に行くようになったのも老漢の厚情であった」

と述懐されています。

 

横田南嶺

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