今日の出来事
南禅寺の柏槇
南禅寺で平成二十四年に、南院国師の七百年遠諱が行われました。
南禅寺の開山は、大明国師無関普門禅師でありますが、大明国師は正応四年(1291年)に開山として招かれましたもの、間もなくお亡くなりになってしまいました。
開山がお亡くなりになったので、南禅寺伽藍の建設は実質的には二世住職の規庵祖円(南院国師)が指揮されたのでした。
この南院国師という方が、円覚寺の開山仏光国師のお弟子なのであります。
七百年の大遠諱が終わった後に、当時の南禅寺の管長中村文峰老師が、南院国師ゆかりの円覚寺の柏槇を南禅寺に植えたいと仰せになって、円覚寺開山お手植えの柏槇の実で育ったものを移植したのでした。
平成二十四年の秋に、当時の宗務総長や内局員全員と共に南禅寺に参上して、記念植樹をしたのでした。
南禅寺の管長と私とで、土を盛って植え、南禅寺の山内の皆さまにも読経いただいたのでした。
あれからもう八年になります。
柏槇はどうなっているのかなと気がかりでありましたが、京都に出掛けてもなかなか立ち寄れずにいました。
たまたま知人が南禅寺に行くというので、円覚寺から差し上げた柏槇を見ておいて欲しいとお願いしました。
そうすると写真に撮って送ってくれました。
すくすくとまっすぐ伸びて育ってくれているようで安心しました。
横田南嶺