豊かさ
ご自身も起業に携わり、十年も務められた会社をお辞めになって、文章を書いてお仕事にされているのです。
noteに岸田さんの文章が綴られています。
その中に豊かさについて書かれた文章があります。
「私が未来永劫大切にする、たった一つの花束」という題です。
そこには「豊かさ」について書かれています。
岸田さんにとって、豊かさとは、まず「健康であること」でした。
それは中学生の時に、お父さまが心筋梗塞で突然死されたからでした。
しかしそのあと、高校生の時に、お母さまが下半身が麻痺して歩けなくなってしまいます。
そのお母さまが、「歩けなくなった自分の方が幸せだ」と笑ってられるというのです。
それは「専業主婦だった頃より、多くの挑戦と出会いに恵まれたからだ」と岸田さんは書かれていました。
そこで「健康であるからと言って、豊かだとは限らない」という岸田さんは、
次に豊かさとは「お金があること」になりました。
岸田さんは、大学に入学してベンチャー企業に入社し、忙しく働かれました。お金がないけれども、
「お金がないからこそ、腹の底からゲラゲラ笑えていた」と言います。
お金が無くても豊かさがあったのでした。
そこで岸田さんにとっての豊かさとは
「時間があること」になりました。
そんな時にガンになった、写真家の方と出会われました。
「治る見込みはない」という写真家との出会いでまた考えが新たになりました。
「決して余裕のある時間とは思えなかった」写真家が、人生を大いに楽しんでいるのでした。
そんな方の出会いを通じて岸田さんにとっての豊かさとは
「未来があること」になりました。
更にとある投資家の方との出会いがありました。
その方から岸田さんは、
「未来のモヤモヤした不安を打ち破るためには、自分がやりたいことをやりなさい」
と背中を押されて、
「主体性を持って使った時間とお金は、何倍にもなって未来の自分に返ってくる」ことを知りました。
そうして岸田さんにとっての豊かさとは「やりたいことをやる」になったという話なのです。
今、岸田さんの豊かさとは
「好きなことをして、好きな人と、好きに生きる」
ということになっているのです。
具体的にはどういうことかと言うと、
「好きなことは、文章を書くこと。
好きな人とは、家族と、私の文章を世に送り出してくれる人。
好きに生きるとは、“やったことない”を減らすように生きる」
ことだそうで、
岸田さんは、
「これがもう、楽しくってしかたがない」
と書かれています。
「楽しむこと」は私の一番大切にしているところで、大いに共感するのであります。
人には言えないような辛いことをたくさん乗り越えてこられて、今「楽しくってしかたがない」という岸田さんの生き方は素晴らしいと感服します。
横田南嶺