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臨済宗大本山 円覚寺

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2020.04.13
今日の言葉

水

 

「水 求め五時間並ぶ雪の空 見知らぬ同士で傘さしかけつつ」

 

という和歌がございます。

東日本大震災の被災地の方の和歌であります。

 

震災のあと、よく法話で引用させてもらっていました。

 

厳しい過酷な状況の中でも、お互い見知らぬ者同士でも、傘をさしかけ合う心の素晴らしさを説いたものでした。

 

人は水を求めて、雪の中を五時間でも並ぶのです。水無しではお互い生きてゆけません。

 

それほど水は生命にとって大切なものです。

 

「幸せは ひねれば水の出る暮らし」

 

という川柳も、震災のあとのものです。

蛇口をひねれば水が出るということは、有り難い幸せなことです。

 

しかし、それが当たり前になってしまうと、有り難さなど感じなくなってしまいます。

 

私などもその通りです。

 

上代絲子さんという方の和歌を読んでいました。

 

上代さんは、戦争中に軍人の方と結婚しましたが、相手は再婚で先妻の子が五人いました。そのうち二人は結核で入院していました。

 

結婚といってもまるで病人の看病にいったようなもので、相次いで二人の子は亡くなり、終戦を迎え、夫も病死します。

 

残された三人の義理の子どもを抱えて、戦後の苦しい時代を生き抜かれます。

 

上代さんは日雇いの労働に従事し、道路工事をなさいました。過酷な労働です。

 

結核の子を看病していたので、上代さんも結核にかかります。

 

それでも子を育てるためにはたらきました。

 

そんな上代さんの和歌に

 

「一口の水を薬となして飲み天に謝すなり病みていねつつ」

 

というのがありました。

 

病になっても、お金がかかるからといって医者にもかかれないし、薬も買えない。

そこで、一口の水を薬と思って飲んで、それでも天に感謝するというのです。

 

そんな状況下でも感謝の心を失わなかった為なのか、やがて病は治癒に向かい、再び労働に従事することになりました。

 

一見悲惨な人生のようにしかみえない上代さんですが、次のような和歌を残されていて感動しました。

 

「み仏のおん慈悲ありと思う時安らけきかなむづかしき世も」

 

苦難の人生であっても、そこにみ仏のお慈悲を感じて生きるとき、心の安らかさを感じるというのです。頭の下がる思いです。

 

水は生命のみなもとです。一杯の水も感謝していただけば、天の恵みであり、薬にもなります。

 

コロナウィルスのことばかり考えていると気が滅入りますが、私たちはひねれば水の出る暮らしをさせてもらっています。

 

一杯の水をいただくときだけでも、ウィルスのことはさし置いて、しみじみ有り難く感謝していただくようにしたいものであります。

 

そうするときっと免疫力もあがりましょう。

横田南嶺

水

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