家の中にいること
毎日新聞の日曜版に精神科医の海原純子先生が、「新・心のサプリ」を連載してくださっています。
二十二日には「家の中がストレスですか?」というタイトルの記事でした。
はじめに
「新型コロナウィルス感染の拡大で外出をひかえ家の中にいることがストレスになるという声をきくことが多くなった」
と書かれています。
そんな声に対して、海原先生は、家の中にいることの利点を挙げられています。
たとえば、
「特別スポーツジムに行かなくてもタオル一本あればそれを使って体を伸ばしてストレッチをすることができるし、
水を入れたペットボトルがあれば私にはちょうどいいダンベルがわりになる。そうじ機をつかってストレッチもできるし、
音楽をかけて台所に立つと背伸びしつつアキレス腱ストレッチなどを楽しめる。
外にあるものを使わずに家の中にあって自分をくつろがせてくれるものをみつけ工夫するのはとても創造的な気分になれる」
というものです。
たしかに、私などもこのところほとんどの行事がキャンセルか延期になっていますので、静かな日々を送っています。
すると、よいこともたくさんあることに気がつきます。
朝、新聞を静かに読むことができます。
慌ただしい日々を送っていると、新聞なども目を通せず数日過ぎることがよくありました。それを思えば有り難い一時です。
溝に咲いている野の花に足をとめて、愛でることができます。
電車の時間を気にしながら出掛けていると、とてもそんな余裕はありません。
ボタンや蓮の手入れもできます。
思えば昨年は、大遠諱などの行事もあって、ボタンの手入れが行き届かず、病気になってしまったのでした。
今年はだいじょうぶのようです。ただこのところの陽気で例年よりもかなり早く開花しそうです。
じっとしていることにもいいことがあると、私も楽しんでいます。
横田南嶺