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臨済宗大本山 円覚寺

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2020.03.19
今日の言葉

最善観

森信三先生の『修身教授録』を、僧堂の雲水たちと読書会をして学んでいます。

昨晩は、「最善観」の一章を学びました。

 

「最善観」とは聞き慣れない言葉ですが、森先生の言葉によると、

「いやしくもわが身の上に起こる事柄は、そのすべてが、この私にとって絶対必然である共に、またこの私にとっては、最善なはずだ」

という考えです。

 

森先生は、

「私自身の人生に対する根本信念の一面と言ってよい」

と仰せになっているように、大切な教えであります。

 

森先生の解説によると、

「そもそもこの最善観という言葉は訳語でありまして、西洋の言葉では、オプティミズムという言葉がこれに相当しましょう。

通例は、これを「楽天観」とか「楽天主義」と訳するのが普通ですが、哲学のほうでは、これを「最善観」というのが普通になっています」

というのです。

 

楽天主義などというと、のんきなもののようにも聞こえますが、決してそうではありません。

自分の身の上に降りかかってるくる、いかなる事も、たとえどんな辛く苦しいことであろうとも、

「それに対して一切これを拒まず、一切これを却けず、素直にその一切を受け入れて、

そこに隠されている神の意志を読みとらねばならぬわけです」

というのですから、容易ではありません。

 

そうして、

「自己に与えられた全運命を感謝して受け取って、天を恨まず人を咎めず、

否、恨んだり咎めないばかりか、楽天知命、すなわち天命を信ずるが故に、天命を楽しむという境涯です」

とまで、到らねばならないものなのです。

 

こうした姿勢を、森先生は

「私には、人間の真の生活態度が、どうしてもこの外にはないように思われるのです」

と仰せになっています。

 

禅の教えは、どんな教えの中にも見出すことができると、小欄でも書いたように、何を学んでも、そこから禅を学ぶことができるのです。

〔 どんな教えにも禅が /管長侍者日記 3月18日〕

 

神の真意という表現に抵抗があるならば、天地自然の道理と受けとめたらいいでしょう。

 

森先生は、

「人生の事はすべてプラスがあれば必ず裏にはマイナスがあり、表にマイナスがあれば、裏にはプラスがある」

として、すべて陰と陽とで成り立っていると説かれます。

 

今、不幸な目にあっていても、必ずその分の幸せが訪れるのです。

今大変な目にあっていると思っていても、その経験はきっと大きな意味を持ってくるのです。

僧堂の雲水たちにも、今大変だと思っても、必ず意味があり、そして必ず良いことも訪れるのだと話しました。

 

実に私如きわずかなる人生経験から申し上げても、僧堂の修行は大変ですが、その後の師家に就任した頃の苦労はそれ以上でした。

管長になっても苦労はつきません。しかしその分、幸せに恵まれるのです。

その証拠が、なんといっても今のこの時代に、二十名もの若い雲水たちと毎日坐禅して、『修身教授録』を学んだりすることができるのです。

これが、思いもよらぬご褒美なのであります。

今大変だと思っても、それは幸せの種を蒔いているのだと話をしたのでした。

横田南嶺

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