坂村真民記念館特別展
二月十一日の愛媛新聞に、坂村真民記念館特別展のことが紹介されました。
記念館館長の西澤孝一さまの熱意のおかげであります。
記事の中にも書いていますように、高校生の頃に、『生きてゆく力がなくなる時』の一冊の本を手にしていたのが、ご縁の始まりでした
それから四十年近くにわたってのご縁であります。
コツコツと黄梅院の掲示板に毎月詩を書いてきて二十年、
まさか愛媛県砥部町、真民先生の記念館で、それらが展示されることになろうとは思いもよりませんでした。
あらためてめぐりあいの不思議を思います。
真民先生に「めぐりあい」という詩があります。
めぐりあい
1
人生は深い縁(えにし)の
不思議な出会いだ
2
世尊の説かれた
輪廻の不思議
その不思議が
今の私を
生かしてゆく
3
大いなる一人のひととのめぐりあいが
わたしをすっかり変えてしまった
暗いものが明るいものとなり
信ぜられなかったものが
信ぜられるようになり
何もかもがわたしに呼びかけ
わたしとつながりを持つ
親しい存在となった
4
子を抱いていると
ゆく末のことが案じられる
よい人にめぐりあってくれと
おのずから涙がにじんでくる
5
めのみえないひとたちとの
ふしぎなめぐりあいが
このごろのわたしに
かぎりないちからをあたえる
てをにぎりあって
よろこびあう
めしいのひとたちとの
あたたかいまじわりが
いまのわたしに
ひとすじの光をあたえる
6
めぐりあいの
ふしぎに
てをあわせよう
二十二日の記念講演は「ふかきをきわめ あさきにあそぶ」と題して行います。
真民詩の深さとは何か、そして深みにとどまるのではなく、
人々がもがき苦しむ あさきところ で何をなされようとされたのか、
今まで学んできた真民詩について、渾身の力をこめて、語るつもりであります。
横田南嶺