今日の出来事
侍者のことば
本日は円覚寺宗務本所にて、NPO法人鎌倉てらこや主催の朗読の会がありました。
子供たちと大学生が、お互いに練習をしてきた朗読を発表し、最後に幸田弘子先生の朗読を聴くという会です。
定員を超えて約100名の子供たちと大学生、聴衆の方々が信徒会館に集まられました。
開会に際して般若心経を全員でお唱えした後に、管長による法話の時間になりました。
管長は、
「法話の時間が20分あるという事は、私も朗読をして良いという事で・・」
と話され、法話ではなく、持参した台本で自ら朗読を始められました。
内容は、1890年の和歌山県東牟婁郡串本町沖での、エルトゥールル号遭難事故 から130年に因んだお話でした。
管長は、聴きやすい活舌と、表情豊かな発声、間の置き方で、村人による遭難船救護の様子から、100年後のトルコ人による恩返しの話を朗読していきます。
皆食い入るように、ことばの世界に入り込んでいる様子でした。
練習を重ねてきた朗読の本番を控えている子供たちにとっては、法話を聴くよりも、きっと励まされたのだと思います。
管長は朗読の後、
「本当は最後まで皆さんとご一緒したいのですが・・。今、僧堂で坐禅修行の最中でして実は抜け出してきております。ですので、今日はこれで戻らねばなりません。」
と話された後、
寺務所でお茶を一杯だけ飲んで、僧堂に戻られました。
侍者しるす