老師 コーネル大学生との問答③
横田南嶺老師とコーネル大学生との問答の第3弾です。
学生A:何か好きな仏教の本、または、仏教以外の本でも構いませんのでありますか?
老師: 今現在かな?
学生A: 今でも過去でも
老師: う~ん。あり過ぎてね。(しばらく時間があって)よく読んでいるのは、
ダンマパダかな。ダンマパダは、自分の原点のような気がしていますのね。
学生B: アルチュリズムについてですが・・・
老師: アルチュリズム?アル中のことは、よく知っているが・・・(一同笑い)
引率教員: アルチュリズムは、日本語で利他主義のことです。
老師: そうか、利他主義のことか。
学生B: 我々は、名門と呼ばれる大学の学生ですが、それに入るためには、
たくさんの競争をして入ることができました。ですので、他の人と
対立をして競争して成功するのがやり方だと過去に教わってきました。
しかし、そういった競争の環境にいながら、どうやって利他主義を
達成することができますか?
老師: なるほどね。私は、早いうちから、競争は愚かだと思って放棄して
やってきました。しかし、皆様方のように、競争を勝ち抜いた人は、
大きな力だあると思います。
ですから、私なんかは、何の能力もないわけだけれど、ただ、動物のように
生きてきたもんです。何も発明しないし、何も作らない、飯を食って寝ている
だけで・・・(一同笑い)
あなた方は、競争を勝ち抜いた素晴らしい能力があるのだから、それで
良いコンピューターでも作ってくれれば、私は、一生懸命、使いますよ。
競争をしてしまったことは、これは、仕方がないことで、その中から、
皆様のお役に立つような素晴らしいものを開発してくれればいいかな。
ちなみに、あなたは、何を研究しているの?
学生B: 動物科学です。
老師: 動物を作るわけにはいかないしな・・・(一同笑い)動物ですか・・・
動物園を作ったりするやつですか、それは?(一同笑い)
学生B: 動物の医者や動物を守る組織を作るプログラムです。
老師: 動物の為に力を発揮して頑張ってやってください。
(平成30年6月17日 コーネル大学生との質疑応答より)