「独坐大雄峰(どくざだいおうほう)」
百丈禅師にある僧が質問をしました。「いかなるかこれ奇特(きどく)の事」と。
奇特とは、めったにないこと、すばらしいことをいいます。
修行をしていくとどんなすばらしい事があるでしょうかと聞いたのです。
百丈禅師は、「独坐大雄峰(どくざだいおうほう)」と答えました。
大雄峰は百丈禅師がいらっしゃった山のことをいいます。
今自分がこの山にこうして坐っていることだと答えられたのです。
坐禅していると、どんなすばらしい事が起こってくるのか、
なにかめったにないようなことが起きるのか思うかもしれませんが、
ここにこうして坐っている、このこと以上にすばらしく貴いことはないのです。
今ここにこうして坐って息をしている、これ以上のことはないと気がつくことが大切です。
{平成30年4月23日 横田南嶺老師 「武渓集提唱」}