施・戒・天 「一日一語116」
<大方丈脇の参道>
今、円覚寺専門修行(僧堂)では、11月20日から、月並大攝心
(1週間に及ぶ集中坐禅修行期間)に入っています。
横田南嶺老師をはじめ、25名の雲水(修行僧)や居士・禅子(在家修行者)などが
禅堂に籠り坐禅修行に精進しています。
横田南嶺老師がこの大攝心で提唱されたことをまとめてみました。
お釈迦様が(出家者ではなく)在家の人に説法をする時は、施・戒・天という3つを説かれました。
施(せ)は、布施をしなさいということです。。出家教団・サンガに対する布施や
それのみならず、身近な人や困っている人に対する布施もであります。
布施をすることによって善因が積まれます。他(人)に対する働きは、この布施であります。
それに対して、自分自身のつとめは、戒であります。戒を守っていく。
特に在家の人には、五戒(1、不殺生戒 2、不偸盗戒 3、不邪婬戒 4、不妄語戒 5、不飲酒戒)や
八斎戒(五戒にさらに6、正午以降は食事をしない。7、歌舞音曲を見たり聞いたりせず、
装飾品、化粧、香水など身を飾るものを使用しない。8、天蓋付きで足の高いベッドに寝ない。)
があります。
布施をして毎日の生活で戒めを守れば、次に天上界に生まれる。
お釈迦様の在家の人たちに対するお説教の基本です。
そして、天上界に生まれたならば、今は苦しい生活だけれども幸福な
生活ができる、喜びや楽しみの暮らしができる、そう信じて、教団に
布施をする、または、日常の暮らしで戒を守っていく。
それが結果的に国家の安泰になり、みんなが戒律を守っていけば、
良い国になっていきます。これが在家信者の、お釈迦様の時代から
続いている信仰であり、生き方であります。
(平成28年11月21日 東嶺和尚法語提唱より 16:00)