今に安らぐ 「一日一語 88」
横田南嶺老師が今日の僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
この迷いの心がおさまったならば、それこそが悟りの世界であります。
迷いの世界を離れることなくしてそこが悟りの世界なのです。
ここにいるままで悟りの世界なのです。
只今、やっていることに一生懸命の人は光り輝いて見える。
逆に今までのことをいつまでも思っていたり、これからのことを
あれこれと考えてばかりいる、また、周りの人が気にくわないと
思っている人は暗く湿って見える。
この只今を一生懸命に生きている人は、どんな服を着ようとも
素晴らしい衣装を着ているのと同じに見えるものです。
菩提と言っても悟りと言ってもその悟りが特別にあるわけでは
ありません。悟りの世界、悟りの人が特別にあるわけではなく
何も得るものはありません。ただ、大事なことは、今に生きている、
今を生きていることです。
いくら長年禅堂にいようと坐禅をしたならば数息観、呼吸に集中する
のみです。それを離れて過ぎたことに執着しこれからのことを思い煩う
また、周りがきにかかったりすのではいけません。
それらの思いを断ち切って、この今に安らぐことを仮に菩提と
名をつけたに過ぎないのです。