一日一語 ㊸ ~僧堂攝心編~
<総門>
「こうして長いこと坐禅をしていけばお悟りというものが授かる、
どっかから悟りが出てくる」とさも、もっともらしく説き、
また、「その為には、毎週休まずに坐禅会に通わなくてはならない、
途中で休んではならない、それでは見性はできない」と言って人を
縛り付けるような人がいます。
人間というものは、厄介なもので何かに縛り付けられるとそれに
何か安心してしまう一面があります。
しかし、本当の安心(あんじん)というものは、そのような繋縛(けばく)、
縛られることから解き放たれたものでなくては、本当の安心とはいえません。
それでも、不思議なもので何かに縛られ何かにとらわれている方が安心して
しまうのです。だから、こちらがそういう繋縛をとろうとすると必ず「昔から
こうしています。」と言って抵抗をすることが多いのです。
{平成27年11月21日 月並大攝心2日目 『臨済録提唱』より}