四ッ頭(よつがしら)習礼①
<お茶を点てる雲水さん>
来る10月2,3日は、開山忌(円覚寺開山・無学祖元禅師のご命日法要)となります。
円覚寺派(末寺200ヶ寺余り)全山をあげて
無学祖元禅師の遺徳をたたえる法要を厳修いたします。
当日は、舎利殿や仏殿で読経をし、最後に大方丈にて「四ッ頭」と呼ばれる儀式を
行います。四ッ頭は、中国の宋時代に宮廷・禅宗寺院で行われていた古式の食事作法です。
宋朝の宮廷、禅寺の作法がそのまま伝承され700年に及んで円覚寺で行われて
います。また、茶事作法の原点とも言われています。
昨日から、この四ッ頭の習礼(作法の実践練習、リハーサル)が始まりました。
お膳を二人一組になって、規則正しく運んでいきます。
お香をたいて開山さんに捧げます。
四ッ頭とは、中央板の間の四隅に坐る4人の頭(これが正客となります)より
順次、座位につくことからそう呼ばれています。
食事をする側も作法に則って坐禅のように姿勢を正して食事をいただきます。
きちんとお茶とお菓子が行き渡っているか点検中。
大きな桶に抹茶茶碗をたくさん載せて配っていきます。
多くの人の手から手へ中継されてお膳などが運ばれます。
お菓子を入れる器を配る雲水さん。
かつて四ッ頭の行事を一見した考古学者の三上次男博士は
「宋朝の宴会の作法が化石のように現存している」と言われたと
されています。
三上博士は、「宴会」と表現されていますが、一般的にイメージされるお酒を飲んだり
歌ったりする宴会ではありません。実際は、終始無言でもちろんお酒も出ません。
粛々とした儀式です。