虚空のごとく広い心で
昨日、円覚寺・大方丈にて行われた日曜坐禅会は、たいへん寒い中にもかかわらず
85名の方々が参加をされました。初心者の方も13名ご参加いただきました。
ー提唱中の円覚寺派管長 横田南嶺老師ー
横田南嶺老師が昨日の日曜坐禅会で提唱されたことをまとめてみました。
我々、禅の教えというのは現実の問題を全部忘れてしまって世捨て人になれと言っている
のでは決してありません。私たちは現実のことにいろいろと対応しながらも
それと同時に広い世界、空(くう)の世界を学んでおれば、そんなに迷いよ悲しみに
暮れたとしてもそこまで追い詰められることはありません。
現実の問題というのは、決して忘れて良いものではありません。生きていれば遭遇する
いろいろな問題についてお互い、苦しみながら悲しみながら、お互いに手を借し合い
それと同時にこうして法を聞いて空(くう)を知り、執着のないとらわれのない広い世界を
学ぶことが大事であります。
その教えを学ぶということはいったい何に気がつくことでありましょうか?
それはお互いが幸せになること、お互いが幸せになることを祈る心に他なりません。
お互いがそれぞれの場所でもってそれぞれのいのちを精一杯に生きていく。
広い心で小さなことで争わないようにしていくことです。これがこれからの時代
生きていく上での大きな智慧ではないでしょうか。
せっかく、素晴らしい教えを学びながらその教えが原因で争わなければならないと
したらそれほど悲しいことはありません。世界のどんな宗教であろうとも、あらゆるいのちが
みんな、活き活きと生きて欲しいと祈っているはずです。
譲り合うところは譲り合わなければなりません。相手が嫌ならそれを察してあげなければ
なりません。虚空のごとく広い心でとらわれを離れて、相手の幸せを祈ること、そして
お互いのいのちを精一杯輝かして生きていくことが何よりも大切であります。
(後記)
次回の日曜坐禅会は、2月1日(日)8:05~9:30となります。
どなたでも自由に参加することができます。皆様のご来山を心よりお待ちしております。
また、明日から円覚寺専門修行道場(僧堂)では、制末大攝心(1週間の坐禅集中修行期間)に
入ります。僧堂師家(指導僧)でもある横田老師をはじめ在籍する23名の雲水さん、和尚さん、
居士(在家の修行者)さんらが禅堂につめて修行に精進いたします。