人間の真価
-円覚寺山内・黄梅院-
臘八大攝心 初日
横田南嶺老師が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
臘八の時にいつも紹介している森信三先生の言葉があります。
「人間の真価を計る二つのめやす-。一つは、その人の全知全能が、一瞬に、
かつ一点に、どれほどまでに集中できるかということ。もう一つは、睡眠を
切りちぢめても精神力によって、どこまでそれが乗り越えられるかということ」
坐禅をして呼吸にそしておへその下、気海丹田の一点にどれだけ全身全霊で
やれるか。この臘八は一週間、横にならないわけですから、眠いのはみんな
当たり前です。それをどこまで精神力と気力で打ち克っていくかです。
私たち、禅宗の坊さんの真の値打ちを計る二つのめやすです。
また、森信三先生は「すべての一芸一道に身を入れるものはその道に
ひたり切らなくてはいけない。体中の全細胞がその一つのことに向かって
整列するほどでなくてはいけない」とも仰せになっています。歌舞伎や能など
どんな芸能もその名を成すようになるにはその道にひたり切らなくてはものに
なりません。
全身全霊をもって坐禅に励んでいただきたいと思います。