母は観音様
10月14日(月) その2
横田南嶺管長が昨日の日曜説教会で提唱されたことをまとめてみました。
お釈迦様は、「あたかも母親が自分の子どもをいのちをかけて守るような
そんな気持ちで、あらゆるいのちあるものに接しなさい。あらゆるいのちに
対していくつしみの心を起こす。立っていても、坐っていても何していても
この慈悲の心を失ってはならない」とお説きになっています。
坂村真民さんにしても相田みつをさんにしても、お二人の根本には
そのお母さんからいただいた愛情があるのだと思います。そのお母さんの
思い・念を伝えたくてたくさんの詩を書いたのだと思うのです。
相田みつをさんに母のような観音様の心をわかりやすく表現した詩があります。
長い詩ですのでその一部を紹介します。
『二人の門出のために』
どんな話でも どんな悩みでも
だれかれの差別なく
「ふうん、そうか、それは大変だろうな……」
「さぞ苦しかったろうなあ……」
「痛かったろう……こんなになって……」
と、相手の立場になりきって
親身に聞いてくれる人
それが観音さまです
自分のことはいつもあとまわし
常に他人(ひと)の幸せを願って生きている人
人のために人のためにと
ただ黙って動いている人
それが観音さまです
だから観音さまのまわりには
人がいっぱい集まるんです
浅草の観音さまのように・・・
こういう観音様のような素晴らしい心を私たちは生まれながらに
いただいているのです。いのちのバトンという言葉がありますが、
私たちが次の世代に伝えていかなくてはならないものはとは
この観音様の心なのではないでしょうか。
自分の生きている間にこの観音様の心をしっかりと受け止めて
次の世代に手渡していく。母が自分の子どもを守るようないくつしみ、
まごころというバトンを次世代に伝えていく、その為に我々の一生涯は
意味があるのではないでしょうか。
(後記)
妙香池に降り立ったサギ