牛小屋と黄色の葉っぱ
7月7日(日) 制末大攝心・3日目
管長様が提唱されたことをまとめてみました。
中国の唐の時代に薬山和尚というお方がいました。まだ、禅の草創期の頃で
もちろん立派な伽藍もなにもありません。薬山和尚は農家の牛小屋を借りて
専ら坐禅に励んでいました。
農家の人達はそんな薬山和尚を気味悪がって出て行かせようとしましたが
出て行かない。そこで牛小屋に火をつけてしまいました。やれやれこれで
出て行くと思いきや、和尚、焼け跡で坐禅をしているではありませんか。
その話を時の太守が聞きつけて、その心意気に感銘し、和尚の為に山を
買い取り庵を建ててあげたのでした。和尚はその庵に牛小屋という名前を
つけて坐禅を始めました。
そうこうするうちに、うわさをを聞きつけた人々が集まり大きな修行道場に
なりました。
こんな逸話があります。薬山和尚はみんなといっしょに食事をしなかった。
それでいて一人元気にしている。かくれて別のおいしものをたべているのでは
ないかと疑った修行僧の頭が和尚の行動を観察してみました。
すると、和尚が台所の裏で小さな鍋でぐつぐつと何かを煮ている。何だろうと
思いきやみんながいらなくなって捨てた黄色い葉っぱや野菜の切れっ端を集めて
きて煮ていたのでした。
薬山和尚は言いました「いやあ、私はみんなといっしょに食事をとるほど
修行をしていません。ですから、かれこれ10年ばかりこのようなものを集めて
食べています」
古人はこのような苦労の中で四弘誓願実践の為に修行をされました。
これに見習って多くの先人たちも坐禅に打ち込まれました。私たちも少しでも
それにあやからなくてはなりません。
<居士林・カタバミの花>
今日は午後から居士林で蔦禅会(坐禅会)でした。17名の方々がご参加
くださいました。皆様、有り難うございました。