禅の呼吸の仕方
4月20日(土) 入制大攝心・初日
今日の提唱では、管長様が「直説坐法」(朝比奈宗源老師が坐相や呼吸の仕方に
ついてお話されたものを筆録したもの)を紹介されました。呼吸の仕方、特に
下腹に力を入れる方法について詳しく説明をされています。以下、抜粋です。
「ワシの経験ではこの丹田に力を入れると臍(ほぞ)の下二寸五分の所に力を入れねば
いかんのが、それも漫然と下腹に力を入れるというのではなく、臍の真正面というか
、真下だな、真ん中だ。それの二寸五分の辺に焦点を定めて、そこへ心を集中する。
そこで無字なら無字を拈提して坐る。息は吸うときに力をいれるか、吐くときに
力を入れるかとよく聞く人がある。経験から言うと、吸うときは胸部に、つまり肺に
息が入るのだから横隔膜が下に行くが、胸を広げるときだから、吐くときは鼻から
静かに息を出しながら、こうして吐きながら静かに下腹に充たした方が、どうも
良いようだ。
つまり上をふくらましたときグッと力を入れると、うっかりすると胃下垂というような
病気となる。だから吐くときはムッーと下腹に力を入れる。そうしてだんだん暫くやって
、下腹に本当に力が入ったら呼吸には関係なくならねばいかん。呼吸のことは心配せんで
かすかに鼻から吸ったり吐いたりして、グッと公案に成り切っていく。
この成り切るなんていう言葉は禅にしかないかも知れぬ。つまり外のああとか
こうとか思う雑念を全部振り捨ててグッと行くのだ。」