心が一つになる
2月17日(日)
管長様が土日坐禅会で提唱されたことをまとめてみました。
何かの冊子にこんな言葉を見かけました。「心が2つになるのが
迷いである。心が一つになるのが悟りである。」
心が、今の自分と何か聞こえてきたものを追いかけて2つになって
しまったら、迷いとなります。ものを追いかけるから迷いとなる。
そこで、私達の禅では、ものを追いかけない為に「聞いているものは
なにものか?」「見ているものはなにものか?」と参究します。そして
外の景色よりも、今こうして見ているもの、聞いているもののすばらしさ
に気づくのです。
この見ているもの、聞いているものこそ宝であって、もう、外に何も
求める必要はないと気づいたとき、初めて、静かに無心に花を見、
無心に聞くことができます。
この宝の気づいて見れば、花と見ているものは1枚になって
いるはずです。1輪の花が目に映ってくれば、1輪の花が今の自分と
一つのはずです。
これに気づかないと、本質を見失ってしまい、花の美しさに
とらわれたり、花を追い回したりしてしまいます。
そこで、いったんは、外に向かってはたらく心を断ち切って自分の内に
向ける工夫が大事です。そうすれば、今、こうして見ているもの、
聞いているもの、命あるものの尊さに気がついて、自然と眼に花が映ったとき、
花はわが命と一つであるとわかるはずです。
心が一つになるのが悟りであると気づくのです。