今や心よ我に従え!
12月13日(木) 臘八大攝心 6日目
管長様が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
自分の心というものを深く掘り下げていくのが私達の坐禅の
修行です。只、己を心を深く深く掘り下げていく。
お釈迦様はこのことを蟻塚を掘るたとえで説いています。
蟻塚を掘る途中には、かんぬき、水の泡、箱、さすまたなど
いろんなものが出てくる。それらを全部捨てることが肝心です。
私達の心も、迷い、貪り、怒り、ねたみ、ためらい、不安・・・
など様々なものがわいてくる。心を見ていくとぞっとする一面
恐れおののく一面も出てきます。
大切なことは、それらを全部振り捨てて、さらに深く深く
掘り下げていくことです。そうすれば、最後に龍を見ると
お釈迦様はお説きになっています。
龍とは、煩悩、妄想の尽き果てる仏心であります。この龍を
見たら、もうそのままにしておけと。
心の底を、意識のおおもとを深く深く掘り下げていく修行の
様子です。まさしく、活きた生きものであります。
いにしえは 心のままに 従いぬ
今や心よ 我に従え
今までは、煩悩、妄想、迷い、分別、怒りなど様々なものに
自分の心が振り回されてしまっていた。けれども、「今やもう
振り回されることはない!」「オレの言うことを聞け!」という
気力、迫力を持っていただいきたい。
ある居士の方は「心の底を深く深く掘り下げていくと
汲めども汲めども尽きぬ水が湧いてきた」とう体験を
されました。そういうところを感得してもらいたい。
自己の心の内側よりふつふつとわいて出てくる確かなもの
をつかんでください。
参禅は煩悩、妄想、昏沈、睡魔、是非憎愛などとの戦いです。
それらに打ち克って、この臘八を乗り切っていただきたい。