道はどこにあるのか?
1月18日(水)
管長様が本日の淡青会坐禅会で提唱されたことをまとめてみました。
昔の中国の、天皇道悟禅師とそのお弟子の竜潭崇信(りょうたんそうしん)
禅師とのお話です。若き日の崇信禅師が道悟禅師のもとで修行を始めた頃、
毎日おそばでお仕えしているにもかかわらず、道悟禅師は何も仏道のことや
禪の教えを教えてくれなかった。
それを不審に思った崇信は「こちらに来てお師匠様から
禪の教えを示してもらったことがありません。どうか、
ご教授ください。」と道悟禅師に言いました。
道悟禅師は「何を言うか。あなたがここに来てから、毎日
一日たりとも教えをしめさなかったことはないわい。」と。
崇信いわく「いったい、いつどこで私はおしえてもらったのですか?」
道悟禅師はそれに答えて「毎日、あなたがお茶をもってきてくれたら
私はその時にありがとうと言っていただいただろう。あなたが食事を
もってきてくれたら、いただきますと。朝あなたがやってきておはようと
あいさつしてくれたら、私もおはようと。
このすべてが禪の道ではないか!」
そういわれても崇信はきづくことができずに考えていました。
そこで道悟禅師は「今ここであなたが行じていることを
まっすぐに見なさい。道はどこかにあろうか?とあれこれと考えると
かえって道から遠ざかってしまうぞ。」と。
そこでやっと崇信はハッと気づき「どのように心がけたら
この道を失うことがありませんか?」と問いかけました。
道悟禅師いわく「何も難しく考えることはない。その時その場の
縁にしたがっていけばいいんじゃ!ただ道はどこかに
あるのではないか?といらぬ考えを起こしたらだめじゃ。
毎日こつこつやっていることをたんたんとやっていくのが
禪の道じゃ!」
道ということばに迷うことなかれ
朝夕おのがなすわざと知れ
毎日毎日、顔を洗ったり、お茶をいれてもらったら「ありがとう!」と
いただいたり、ご飯をよういしてもらったら「いただきます!」
朝は「おはようございます!」夜寝るときは「おやすみなさい!」
そういう一つ一つに阿弥陀様の命が、涅槃がいきづいている
のであります。
「和尚さんに毛繕いしてもらって、気持ちいいニャン!」
「極楽 極楽。」