この命!
11月26日(土)摂心最終日
管長様が今日の僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
臨済禅師が繰り返し繰り返し伝えようとしたことは、「祖仏・仏が
いったいどこにいるのか」であります。仏教の本の中にいるのではありません。
それは今ここでこの話を聞いている「それ」であります。それでは、今おのおの
この話を聞いている「それ」はなにものであるか?それは、
(私達めいめいの)この命であります。
この命は、無量寿・無量光であり、過去・現在・未来の諸仏もみなここに
坐っています。日本国中の八百万の神ここにましましています。極楽浄土の
阿弥陀様もいらっしゃいます。
みなこの命・この一呼吸の様子であります。
「赤肉団上に一無位の眞人あり」と臨済禅師は言われました。
これは、誰でも例外なくその赤い血のかよっている体の中に
すばらしいものがあるということであります。これに気が付け!と
説いて説き尽くしているのが臨済録であります。
誰でもそのすばらしいものを持っているのに煩悩・妄想・執着
あるいは、学問や知識にくらまされてしまっています。しかし、
もう一度、この命はすばらしいものだと体得してもらいたい。
命の尊さを百万遍唱えたとしても、それを本当に実感することは
難しいものであります。それがどういうときに尊さに気が付くのかいうと
死に瀕したときであります。病気・大けがなどでもう死ぬかもしれないと
直面したとき、その刹那に人は本当の命の尊さに気が付くのであります。
命の尊さを本当に実感するための修行であります。