正受老人崇行録提唱
5月21日(土)
管長様が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
自己本来の観音様とは何であるか?それは、仏心と言ってもいい。
観音経には、どんな火の中であっても、観音様は救ってくださる。
どんな水の中であっておぼれても、救ってくださる。
盗賊にあって危険にさらされても、救ってくださるとある。
読みようによっては、一見何とも自分たちの勝手な願いを
かなえてくれる現世利益的なお経のように思われがちですが、
それは、本当は、観音様の何としてでも苦しんでいる人を
救っていきたい心の表れであります。
わが子が火の中にあれば、火の中へ入って救ってあげたいのが
親の心であります。わが子が水の中でおぼれていたら、水の中へ
入って救う。わが子が災難にあっていれば、自分がどんな目に遭おうとも
救いたいと思うのが親の心であります。
そんな親の慈悲の心、深いいくつしみと思いやりの心、
人々の悩み苦しむ姿を見て、自分はどうなっても救って
あげたいと思うのが、観音様の心です。私達誰もが
生まれながらに持っている仏心であります。
せっかくもって生まれた観音様の心を私達は自分の
様々な妄想、貪りによって覆い隠してしまっています。
妄想、分別を断って自分の中の観音様の心に目覚めるのが
坐禅の修行であります。