炊き出しボランティア
5月7日(土)
昨日、福島県いわき市の避難所に炊き出しのボランティアに行っていた
雲水さんが無事に鎌倉に帰山しました。その様子を聞いてみました。
今回、事前に先遣の雲水さんが現地の方とよく話し合い、打ち合わせをして
何が必要かを確認した上での現地入りとなりました。南相馬市からいわき市の
公民館に避難している方とお手伝いの方を合わせた約100名分の
昼ご飯を用意したそうです。わかめご飯、けんちん汁、がんもと僧堂で漬けた
梅干しとたくあんをお出ししました。いわきに出発する前日から、滞りなく
食事を提供できるように具材を煮たり、味付けしたりと準備をしたそうです。
三浦での托鉢で供養された大根で漬けたたくあんと円覚寺内の梅を漬けた
梅干しは、特に好評ですぐになくなってしまったそうです。
お年寄りの方からは「私は、こういうものが食べたかった。」と感謝の言葉を
多くいただいたそうです。こういう「家庭料理」のようなものがやはり、喜ばれるのかも
しれません。
炊き出しが終わって、作務着に絡子を着けて、避難所の皆さんの前でお経を
読んだそうです。管長様からお預かりしてきた観音様の絵と延命十区観音経が
書かれた色紙を本尊様にして、延命十句観音経をお唱えしました。涙を流して
喜んでくださった方も多くいたそうです。
また、ご自分が被災されているにもかかわらず、雲水さんがわざわざ来てくれた
ことを感謝して夕食をごちそうしてくれた方もいたそうです。地震で、「お皿が割れてしまって、
そろっていなくて・・・」という状況の中で、あたたかいおもてなしをしていただいたとの
ことです。
現地に行かれた雲水さんの感想です。
「炊き出しをしてみて、修行の意味がわかった。毎日我々がやっていること、
ご飯を炊いたり、お味噌汁を作ったり、野菜をきざんだり、お経をお唱えしたりと、
そういうことがいざという時に人のお役に立つことができるのだと実感した。」
現地のボランティアの方がおっしゃっていたそうです。
現地のボランティアの方や避難所の人々とよく話し合い、意思の疎通を
親密にすることで信頼関係が生まれたこと、またお経を読むなど
したことで、ただの「炊き出し」だけでなく、お坊さんらしい
心のこもった支援になったのではないかとのことです。
雲水さん、本当にお疲れ様でした。
また、被災者の方が一日も早く「復興」できますように
お祈り申し上げます。
(後記)
明日は、管長様のご提唱が拝聴できる日曜説教会です。
場所は大方丈、時間は9時からです。