団参(だんさん)
本日は、団参というのがございます。
団参とは、団体参拝の略語であります。
円覚寺派というのは、関東を中心にして
二百十ヶ寺ほどありまして、
そのお寺の檀信徒の方々が、団体で
本山にご参拝くださるのが、団参です。
通常ですと、
午前中に本山に着いて
お茶を召し上がっていただいて
方丈において、ご先祖供養の法要をつとめ
そのあと、小一時間ほど、管長の法話があり、
管長をまじえて記念撮影
そして、精進料理を召し上がっていただいて
それから、国宝舎利殿をお参りいただいて
下山されるというものであります。
この頃は、この団参の数も
高齢化のためか、随分減ってきているように
感じています。
本日は、埼玉のお寺から六十名ほど
お集まりくださります。
お寺の和尚としても
檀家の皆さまに、本山参拝を案内して
募集してとりまとめ
バスの手配や、道中のさまざまな準備もしなければ
ならず、大変な行事でもあります。
本日お見えくださるお寺の和尚というのは、
私が師家を始めた頃に修行していた僧です。
彼は、当時まだ高校を出てすぐに
十八歳で僧堂に来たのでした。
元気いっぱいの遊びたい盛りの頃に
修行道場に入門して、何年も修行を積まれました。
はじめの頃は、僧堂の修行が辛そうにしていたのですが、
よく辛抱しました。
今や四十歳を越えて立派な寺の和尚になって
檀家さん達を六十名も引率してくるようになるとは
よく立派に成長したものだと、
十八歳の頃の彼を思い起こして
なにやら感慨無量なのであります。
横田南嶺