今日の言葉
迎え火
お盆であります。
和尚様方は、一日に何十件ものお檀家さんのお宅を
汗だくになりながら、棚経にまわっておられます。
町の中では、バイクに乗って走る
法衣姿の和尚様もお見受けします。
私も修行時代は、一日にたくさんの棚経に
まわっていました。
この頃は、本山の総代さんや黄梅院の総代さんなど
数件なのですが、棚経にお伺いしています。
十三日の夕刻、迎え火を焚いて
祖先の御霊を迎え、精霊棚を作って
お祀りする、そんな昔からの風習を守る家も
少なくなってきています。
十三日の夕方、とあるお宅に棚経に伺うと
玄関の前に、迎え火を焚いた跡が
残っていました。
祖先をお迎えする心が残っていて
有り難く感じました。
坂村真民先生に
「霊迎え」という題の詩がございます。
霊迎え
麻(お)がらをたいてみ霊を迎える
三人の子供たちが言う
おばあちゃん
もうきたろうかね
あのおつきさんといっしょにきたね
見ればほんとに雨後の空に
ほんのりかがやくやさしい三日月
提灯にあかりをともし
お線香をあげ
お菓子 ぶどう すいか うり とまと
とうきびなど
皿にいっぱいもり
まんじゅうなど一緒に食べ
手を合わせる
一雨降ったあと
涼しい風が吹いて
今夜はほんとにいい晩だ
横田南嶺