木に学べ
今日から、円覚寺では、夏期講座が始まりました。
第一講目の横田南嶺老師による「無門関提唱」、第二講は、俳人 長谷川櫂先生「俳句的死に方」
第三講は、熊野宏昭先生による「ストレスに負けない生活」でした。
以下は、横田南嶺老師による今日の提唱です。
坂村真民先生の詩の一節に、
「木に学び、草に習え」という言葉がございます。
また、真民先生には、「大木を仰げ」という詩もございます。
堪えがたい時は
大木を仰げ
あの
忍従の
歳月と
孤独とを
思え
というものです。
確かに木は、自分の場所から動かずにじっと大地に根を張って、幹をまっすぐに伸ばし、
光に向かって枝を伸ばしています。
我々の坐禅もまた、与えられた場所で足を組んでじっと動かず、
なにがあっても堪える姿であります。
思うに任せないことがあっても、愚痴を言わず、言い訳をせずに
黙って坐るのであります。
くじけずに生きるのであります。逃げないのであります。
大地に根を張って、どっしりと坐るのであります。
幹がまっすぐに伸びるように、腰を入れて背筋を伸ばすのです。
枝が光に向かって伸びるように、明るい方へと向かって生きるのです。
そんな姿にこそ禅の教えが生きています。