「世界が自己」
南泉禅師のお弟子の長沙(ちょうしゃ)という人に言葉に、
「尽十方世界は是れ沙門の全身、尽十方世界は是れ自己の光明」という言葉があります。
この世界が、あなたの全身であり、この世界は自己の光だというのです。
長沙禅師は、修行しても空や無のところにとどまってはいけないと戒められました。
空や無になったところを「百尺竿頭」と表現さされました。そこから更に一歩進めてみよと修行僧達に説かれました。
では一歩進めたらどうなるかというと、長沙禅師は「十方世界是れ全身」と示されています。
全世界が自己の全身であるというのです。
坐禅して、無になりきってゆくのが、まず第一の修行です。そこから更に一歩進めて、
この世界がまるごと自己であると目覚めることが肝要で、その体験からこそ、本当の慈悲がわいてきます。
(平成31年1月20日 横田南嶺老師 制末大攝心提唱より)
今日から、円覚寺僧堂では、厳しい寒さの中、制末大攝心(1週間に及ぶ集中坐禅期間)
に入りました。