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臨済宗大本山 円覚寺

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2026.04.26
今日の言葉

坐り方の工夫

今年新しく修行に来てくれた方を見ていると、今まで坐禅の経験のある方は腰が反り気味であり、または初めて坐禅する方は腰が落ちて曲がってしまっているのが目につきます。

反り腰になっているか、腰が引けて曲がってしまっているかであります。

腰が引けて猫背になってアゴが前に出てしまう姿勢は、まず頭の重さが大きくなって苦痛を生み出します。

頭が前に傾くと、頭の重量は、本来体重の十パーセント程度のものが、かなり重たくなってしまうのです。

携帯電話をのぞき込むように前に首が落ちてしまうと、三十キロくらいの負荷がかかることもあります。

そうなると首が凝り、肩も凝ります。

猫背になると胸も圧迫されますので、呼吸が浅くなります。

内蔵も圧伏されて血流が滞りがちです。

腰も痛めることになりかねません。

よいことはほとんどありません。

それで腰を立てるように指導されることがあります。

この指導が行われるのも分からないのではないのです。

湾曲した腰をまずは立ててもらわないといけません。

そこで腰を立ててとか、腰を入れてという表現で指導します。

それが高じて反り腰になってしまうことがあるのです。

腰を反らせて、胸を張る姿勢を作ってしまいます。

この姿勢だと、腰椎だけが過剰に反ってしまい、腰の筋肉(脊柱起立筋)が緊張し続けてしまいます。

そこで腰に、張りや凝りが生まれるのです。

短い時間の坐禅なら堪えてしまうのですが、修行道場のように長く坐るようになると、これはけっこうたいへんなことになります。

原因のひとつには。股関節が硬くてじゅうぶんに使えていないことがあります。

股関節が十分に屈曲したり、外旋できないと、腰を反ってしまうことになります。

または下半身で体を支えることができずに、背中で姿勢を保っていることになっています。

安定した坐り方の理想は足や骨盤で身体を支えていることです。

これができないと、背筋で「姿勢を維持する」ようになります。

これだと常に力み続けてしまいます。

その結果、凝りになります。

それから垂直という感覚が誤解されているともいえます。

垂直、真っ直ぐというのは、反ることだと思っていることがあります。

多くの方が真っ直ぐにというのは、胸を張って背中を反るくらいにすることだと受けとめているのです。

しかし実際に真っ直ぐというのは重力に乗る状態であり、筋力で作るものではありません。

どうしてこのような傾向が生まれたのかを考えます。

いろんな要因が重なってのことだと思います。

決してひとつの要因によるとは思いませんが、明治以降、急速に西洋式の身体訓練を取り入れたことも関係があるのかと察します。

胸を張る、背筋を伸ばす、顎を引くという姿勢が、腰を反る方向に強調されやすいと言えます。

ただこのような一見すると調った姿勢が「規律」「威厳」「統制」の象徴とされる傾向がありました。

学校の教育でも、体操や整列の際に、そのような傾向があろうかと察します。

いわゆる「気をつけ」の姿勢であります。

そこで日本人の身体感覚の中に「良い姿勢=胸を張る・背を反る」ことだという思い込みが入ってきたのではないかと察します。

膝を伸ばすなどというのもそのひとつだと思います。

坐禅の指導が一般社会へ広がる中では、分かりやすい指導であり、見た目として整った姿勢が求められるようになったのではないかと察します。

あくまで私の想像のことです。

本来は、上体の余計な力が抜けて、自然と腰が立っている坐り方ができるはずなのです。

それが「背筋を伸ばして良い姿勢を作る」ように指導されて、胸を張り、腰を反るという方向になったのではないかと思うのです。

もっとも人間は「頑張って姿勢を作ろう」とすると、正しく坐ろうと力みがちです。

そこで腰や背中で姿勢を支えるようになります。

そこに股関節が硬いのと、床に坐る習慣が減ったことも加わってなお一層骨盤が立たない上体になって、腰を反らせて代償するようになったのではないかと察します。

それから、言葉にすることの問題もあります。

「腰を立てる」「腰を入れる」「背筋を伸ばす」という表現が本来自然に伸びるものが、力で伸ばすようになってしまいがちなのです。

禅の本来の坐り方というのは、外から見て整っているように、筋力で保持することではありません。

それは緊張を生んで、凝りや痛みにもなりかねません。

そこで大事になるのは、腰を立てようと意識することよりも「股関節」から引き込むようにすることです。

そのために坐禅の前に時間をかけて股関節をほぐしてよく動くようにします。

それから胸を張らないことが重要です。

胸骨を軽く落として、みぞおちを柔らかくするようにします。

そうすると腰の過剰な反りが消えて呼吸も深くなります。

そして頭蓋骨から背骨がぶら下がっているように坐ります。

そうすることで腰の力みが抜けます。

こういうことを丁寧に教えながら指導しています。

この春修行道場に見えたばかりの人は、丁寧に教えていくと、驚くほど良い姿勢に変わってゆきます。

それも無理に力んで整えたのではなく、自然と立ち上がった姿勢に変わってきます。

皆さんがよい姿勢に変わっていくのを見るのはなにより嬉しくそして楽しいものです。

良い姿勢ができると心地よく坐れます。

呼吸も深くなります。

いつまでも坐っていたいと思うようになるのです。

 
横田南嶺

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