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臨済宗大本山 円覚寺

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2019.12.24
今日の言葉

無用の木

円覚寺の中興である大用だいゆう国師は、誠拙周樗せいせつしゅうちょと申し上げます。

周樗の「樗」とは、にわうるしとも言い、古来役に立たぬ木とされてきました。

『荘子』の中に、「樗」の話が出てきます。

「樗と呼ばれる大木があって、その太い根元は節くれ立って墨縄の当てようがなく、

小枝はかがまって定規にかからない。

道ばたに立っているのだが、通りかかる大工は振り向きもしない」というのです。

要するに無用の木なのです。

『荘子』では、「そんな木は無用なるが故に、用材として伐採されることがない。だから大木になる、

そんな大木の傍らでぶらぶらと無為に過ごし、その木の下で悠々と昼寝でもしたらどうか」と説かれています。

舎利殿の裏山が、昨年の台風で、一部崖が崩れて、

その後危険木の伐採など、次の災害を生じないようにしてきました。

今年の台風の前にも、あらかじめ危険な木は伐採していました。

そんな作業の中で、一本の大木で、枝がくねくねと曲がって、見るからにどうしようもない木がありました。

職人さんと、あの木は伐るしかありませんねと話しあっていたのでした。

しかし、その木を伐採できずに、今年の台風が来てしまいました。

するとどうでしょうか、まわりの杉の木が何本も倒れてしまう中で、

その無用の木と思われた大木は持ちこたえて、

しかも他の倒れかけた杉の木を支えているのです。

もし、その木が支えていなければ、

御開山の塔所たっしょに杉の木が倒れて被害が出ていたことでしょう。

枝もくねくね曲がって伸びて、一番危ないと思われた木が持ちこたえて、

他の倒木を支えてくれている姿には、こちらも頭が下がりました。

何の役にも立たぬと思っていても、何年に一度か、あるいは何十年に一度か、

危機のときに役立つことがあるのです。

「無用」だと思うのは、こちらの勝手な憶測に過ぎません。

「無用」が大いに力を発揮することもあるのです。

人間もまた、然り。

しょうがないなと思っていたとしても、そんな人が大いに力を発揮することがあるのでしょう。

普段役に立っていると思っているものが役に立たなくなり、役に立たないと思っているものが役立つこともあるのです。

誠拙禅師は、自ら周樗と名乗り、また無用むゆう道人と号しながらも、

お亡くなりになってから「大用だいゆう国師」と諡号しごうを賜ったのも奥深い話であります。

舎利殿の裏山の台風のあとを見ながら思ったことでした。

無用の木

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