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臨済宗大本山 円覚寺

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2026.02.07
今日の言葉

全身ゆるむ、そして充実

二月一日はいろんな行事があります。

修行道場では一月三十一日まで雪安居という修行の期間となっていて、それが一段落します。

二月一日からはまた新たな修行が始まるのです。

毎月のように一日は釈宗演老師の月命日ですので、宗演老師にお膳を供えてお経をあげます。

そのあと、修行道場では役寮交代といって、いろんな役目が入れ替わります。

それまで台所の係りをしていた者、お経をあげる係をしていた者、それぞれが入れ替わるのです。

新しい役配になって一日から臨むのです。

そうして午前六時には佛殿で祝聖という行事を行います。

そのあと舎利殿で開山様にお経をあげます。

そして山内の和尚様と茶礼といって、一碗のお茶をいただきます。

そのあと、洪川老師以来歴代の老師方のお墓にお参りします。

それから、新旧の役が入れ替わった挨拶に修行僧が私のところに見えます。

それぞれお茶を飲んで挨拶します。

そんな一連の行事を朝のうちに終えるのです。

午後からは寝る禅となりました。

今回で第五回目です。

五回目ともなると、寝る禅も大分形も調ってきました。

やる方も気楽にできるようになりました。

今回は寒い時期ですので、空調に心を配りました。

それで密閉できる部屋で十五名に絞りました。

方丈のような広いところですと、少しくらい暖房をしても隙間風もあってなかなかゆったりとくつろぐことができません。

十五名となると、わずか数分でチケットも完売となったようです。

出たいけれども出られない方もいらっしゃったのではないかと察します。

申し訳のないことです。

そのぶんじゅうぶんに暖房も効いてここちよく寝る禅ができました。

私自身も寝る禅は久しぶりとなりました。

修行道場はとても寒いので、この時期に寝る禅は体が冷えてしまうので、やっていないのです。

自分では元気なつもりでも、年末年始からの疲れがたまっていたのか、すっかり楽になりました。

寒さを感じると脱力できにくいので、毛布も用意しました。

参加者からは「ふかふかで快適に過ごすことができました。」というお言葉もいただきました。

ホトカミの吉田亮さんもご参加くださっていて、早速noteに投稿してくれていました。

寝る禅の要領をとてもよくまとめてくれているので、そのまま一部を引用させてもらいます。

「まずは寝る禅の3つの要点を教えていただきました。

ひとつ目は、【脱力】。

首、肩、お腹、背中、お尻(仙骨まわり)、そして足の順に、畳の上で全身をほぐしていきます。身体の力がどんどん抜けていきます。

ふたつ目に、【骨盤の矯正】。

畳の上で仰向けになった状態で、全身をほぐしていきます。
身体をほぐしながら、合間合間に骨盤を左右に振って、緩ませていきます。

身体にかかる重力と畳の押し返す程よい弾力により、骨盤の位置が自然と正しい位置に、ととのえられます。

そして、みっつ目が【下半身の充実】。

臨済宗中興の祖である白隠禅師の「内観の法」という呼吸法を行います。

両足を伸ばして、足首は直角に曲げた状態で、お腹を膨らませて息を吸い、お腹を膨らませたまま、息を吐きます。

このとき、両足裏の向こう側に壁があると思って、ぎゅーっと壁を押すつもりで力を入れながら息を吐きます。

この呼吸を繰り返すことで、上半身の力が抜けて、下半身の力がみなぎります。

これを、上虚下実(じょうきょかじつ)といいます。

脱力、骨盤の矯正、下半身の充実。

この3つを味わえるのが寝る禅です。終わったあと立ち上がると、足の感覚が繊細になり、裸足で畳の目を数えられそうなほどでした。同時に、骨盤が安定して脚の上に乗り、上半身は力が抜けていました。

身体も楽になり、2026年1月の疲れも取れました。」

というものです。

メモを取っていらっしゃったのか、よくまとまっています。

いろんな脱力の方法については、私がまだ管長になる前に、ヨガや操体法などに詳しい先生にいろんな体操を教わっていたのが、今になって役だっています。

自分なりに横になったままで、首を軽くほぐし、それから肩をほぐします。

肩は仰向けから横になって肩を回すととても回しやすくなります。

そうしてテニスボールを使ってお腹をほぐし、背中をほぐし、腰回りをほぐすのです。

私も心地よい痛みもあって、とてもほぐれたと感じました。

それぞれの動きの合間に腰を小さく左右に揺すってゆきます。

これを繰り返していくと、骨盤の位置が矯正されてゆくのです。

下半身の充実については、白隠禅師の内観の法に書かれていることを応用したものです。

息を吸いながらお腹を膨らませて膝を軽く曲げます。

そして息を吐きながら足を伸ばしていくのです。

このときに吉田さんが書いてくれているように、足裏の向こう側に壁があると思って、その壁を押すつもりで力を入れながら息を吐くのです。

それを繰り返して最後は何もしないで床にべったりと吸い込まれるように寝ています。

呼吸法もなにもしません。

それでもちゃんと呼吸が起きてきます。

その自然と行われる呼吸を味わって横になっているのです。

そこから立ち上がるのを丁寧にしています。

これが大事なところだと思っています。

できる限りゆっくり、しかし決して止まらずに時間をかけて起き上がるのです。

仰向けの状態から腹筋で起き上がるのではなく、ます右脇を下にするようにうつ伏せになっていきます。

それから四つ這いの姿勢になり、しゃがんだ姿勢になり、そこからゆっくりと手で床をおして上体を起こしていくのです。

そうして立つととても安定しているのです。

参加者から「今回は、最後に起き上がる時の誘導がとても丁寧だったので、起き上がった時の外界との接触具合が前回よりも密にぴったりひっついていて重みがありながら、同時に通気が良くて透き通っていて軽やかな感覚でした。」
という感想をいただきました。

全身がゆるんだ状態から、足腰が充実して立ち上がったという感じです。

脱力していて、それでいてお腹から足にかけて気力が充実しているという感じがするのです。

寝る禅はやはりとてもいいです。

今年も折を見て継続してゆきたいと思っています。

 
横田南嶺

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