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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.11.20
今日の言葉

骨で坐る、骨が坐る

前回のイス坐禅でもいろんなことを試みてみました。

そのどれが功を奏したのかは分かりません。

前回は私自身、一番よく調ったという思いがしました。

終わった後にも、今回のイス坐禅は最高でしたという感想をいただきました。

どれがよかったでしょうかと聞いてみても、うーんと首をかしげて、どれもがよく効いたのでしょうかと答えてくれていました。

その前の会のイス坐禅で試みた、手をやさしく撫でるというのは、好評だったので、もう一度行ってみました。

前々回のアンケートにも、
「手をさする、というのは優しい気持ちになれていいなぁと思いました。
自分で自分をさすると落ち着いた気持ちで自分と自然に対話できるなぁ、と思いました。」

とか或いは

「手指を軽く触っただけで、翌日も指関節の動きが滑らかです。セルフケアの極意を活用させていただきます。ありがとうございました。」

という感想をいただいていました。

体の緊張を取るのに、皮膚を少し緩めてあげるのがよいと考えて、工夫して考案したものです。

皮膚を緩めるといっても、皮膚は体全体でつながっていますので、どこかの皮膚を緩めると必ず連動すると思ったのでした。

そこで一番触れやすいところというので、手に注目しました。

私のイス坐禅では、いつでもどこでも誰でも手軽に出来る方法を常に考えています。

特に誰でもというのが大事だと思っています。

五十人いれば五十人誰もができるものを行うようにします。

一人でも出来ないというと、その人にとってはとても寂しい思いをさせてしまうことになります。

誰でも必ず出来るものを考えます。

これは手の甲をさするのです。

左手を左の股の上において、右手の平で左の手の甲を優しくそっと撫でるのです。

ただこれだけなのです。

この手の甲の皮膚は背中や腰、肩や首までつながっているのです。

そっと撫でて緊張を取ってあげると、ゆるみます。

その緩みは必ず全身に及ぶのです。

それからその日にちょうど蜜柑をいただいたので、蜜柑を持参しました。

蜜柑を両手で包むということをやってみました。

これも誰もができるものです。

そのまま両手で包んでも良いのですが、少し蜜柑が冷たく感じたので、蜜柑をタオルで包んでそっと両手で包んでみました。

これで手から安心感が生まれます。

なんともいえない落ち着いた気持ちになるのです。

てのひらに包んでいるのが蜜柑ですので、おのずとそっと持つようになります。

この「ソッと」という感覚がいいのです。

それから法界定印を組んでみて、その手の平の上に蜜柑を置いて、親指を合わせて蜜柑を包むように法界定印を組んでみました。

法界定印は、左の掌の上に心を置くようにと言われています。

ところが心を置くというのは思いにくいのです。

そこで蜜柑という実際の物を置いてみるとより実感することができます。

蜜柑は他にも活用しました。

頭のてっぺんに置くというのも行ってみました。

これで頭頂が意識されます。

蜜柑という実際の重さがあるものを乗せますと、自然とその反力で背骨が押し返そうとします。

それで自然と無理なく背筋が伸びるのです。

このときにも直接乗せるよりもタオルをたたんで敷いてその上にソッと乗せるようにしました。

このイス坐禅の会場では何度も参加されている方がほとんどなので、蜜柑を落とす人はほとんどいないのです。

あるところでこの蜜柑を頭に載せるというのをやってみると、あちらこちらで蜜柑を落っことしていました。

やはりこの会は何度もイス坐禅を体験してきていますので、体幹が皆さん調えられているのだと感じました。

それから

「足を椅子から持ち上げて伸ばしてを繰り返すストレッチ。足の疲れが取れスッキリ軽くなりました。
ダウンドックで足を伸ばしたみたいな感覚を座ったまま味わえたと思います。」

という感想もあったので、これも実践しました。

足に直接触れなくても足の先まで充実することが出来る方法です。

右の足の股の裏に手を入れて、足を伸ばして膝を曲げながら息を吸い、うーんと力をいれて膝を伸ばし踵を前に押しだしながら息を吐くのです。

これで足先まで気が通ります。

それから今回重点的に行ったのが骨であります。

骨で坐るということを私なども教わってきました。

筋肉を使うとどうしても無理な力みが残ります。

骨で坐るというのです。

私は更に骨が坐るのですと申し上げたのでした。

そこでまず骨を感じることをしました。

骨を軽く叩き、そっと触れて撫でるのです。

頭蓋骨から頸椎、胸椎、腰椎と実際に骨の画像を示しながら骨を指先で軽く叩き、ソッと触れて撫でてゆきます。

肩甲骨も出来る範囲で触れて撫でます。

腕の骨も指先まで丁寧に撫でてゆきます。

胸は胸骨と肋骨を触れて撫でます。

骨盤も触ってゆきます。

仙骨はいつもさすっているところです。

それから大腿骨、膝蓋骨、そして脛骨腓骨とすねの骨を触ります。

それから足の骨を指先までなぞってゆきました。

そして床に足の骨を置いてその上に脛骨を立てて大腿骨、骨盤、腰椎、胸椎、頸椎と立てて最後に頭を両手でそっと持ち上げて、頭蓋骨を頸椎の上にソッと載せるようにして坐りました。

まるで模型を組み立てるように骨を組み立ててみたという感じです。

これで余計な筋肉の力が抜けて自然に坐れるようになりました。

皮膚も緩んで骨が坐るととても安定するのです。

力みのない安定感があります。

頭のてっぺんも意識できますし、足の先まで気が通ってとても全身が調ったのでした。

それで最高のイス坐禅だと感じることができたのだと思いました。

またこれから応用してゆきたいと思います。

このようにして毎月のイス坐禅は毎回工夫していますので、新しい発見があり、かつて行ったことの効果がより一層深めることができたりで楽しいのであります。

 
横田南嶺

骨で坐る、骨が坐る

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