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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.11.16
今日の言葉

雨の法話と布薩

先日の第二日曜日は雨となりました。

季節柄肌寒いと感じる雨であります。

日曜説教の日ですが、お越しになるのもたいへんだろうなと思いました。

十月の日曜説教の日はとても気候のよい日で、方丈も小書院も一杯になるほどの方々が見えてくださいました。

この雨では、お見えになる人も少ないのではないかなと思っていました。

しかしながら、そんな雨にもかかわらず大方丈には実に大勢の方々がお集まりくださっていました。

そんな皆さんのお姿をみて、しみじみと、こうして話を聞こうとして来て下さっている皆さん自身が仏さまそのものですと思うのであります。

いつものように、お経をあげて、生まれた事の不思議、今日まで生きてこられたことの不思議、そして今日ここでめぐり合えた不思議に手を合わせます。
いつもよりも一層有り難く感じたのでありました。

法話は釈宗演老師の話をしようと思っていました。

座右の銘の資料を用意してお話しました。

とりわけ最後の
「寝に就くことは棺を蓋う如く、
蓐を離るることは履を脱するが如し。」
というところをお話しました。

「蓐」は蒲団です。

寝るときは棺桶の蓋を閉じる思いで眠れというのです。

目覚めないかもしれぬと覚悟して、一日を悔いなく終えます。

一日を一生と思って生きるのです。

今日一日を精一杯生きる心構えであります。

そして起きるときは靴を脱ぐように、ためらわず蒲団から起き上がります。

靴を脱ぐのにためらうことはありません。

スッと脱ぐのです。

サッと脱ぎます。

そのようにスッと起きるのです。

ここに無心の消息があります。

この一日を生きるのに、どれだけ多くの方々のお世話になっているかを考えます。

長い間で考えるのはたいへんで、漠然としてしまいますが、今日一日どれだけの人のお世話になっただろうかと考えても、数え切れないほどの方々のお世話になっています。

その日も、雨の中を皆さんお見えくださっていました。

たいへんだったろうと思います。

それでも皆さんを駅まで運んでくれたのは電車であります。

九月の日曜説教の時のように電車が止まったら来られません。

朝早くから多くの方々が力を合わせていつものように電車を走らせてくださったおかげであります。

駅を朝早くから開けくださったおかげであります。

靴を履いてきたならば、靴を作ってくれた人のおかげであります。

また雨とは言え、雲の上には太陽があります。

お日様があるから、寒いとはいえ、この気温で生きることができるのであります。

そのように気がついたならば、今日一日何かできることはないか、何かお役に立てることがないかと思うのであります。

今日一日を精一杯生きようと思います。

何もお役に立つことがすぐに見つからないならば、今日一日笑顔でいることであります。

そんなお話をさせてもらったのでした。

日曜説教の前後にもいろんな方にお会いしてお話をうかがっていました。

辛い人生の体験をなされた方もいらっしゃいます。

これから人生について悩み考えていらっしゃる方もいます。

それぞれの思いをただただ聞かせてもらうのみであります。

そして午後から布薩であります。

今回はまず少し体を温める事から始めました。

体の力を抜くことを意識して体をゆすってみたりしました。

そして舌の運動をして発声についても説明したりしました。

それから足の指、足の裏の刺激、足首まわしなどを丁寧に行いました。

足首を手で回すのもいいのですが、自分の力で足首を回すのもいいものです。

足や足の指がないと立つことができません。

小さな足の裏で、この大きな体を支えてくださっているのですから、有り難うという感謝の気持ちを込めてさすりましょうと申し上げました。

それから礼拝では骨の位置なども丁寧にお話しました。

とりわけ今回は肘を使うことを伝えました。

礼拝して体を伏せて手の平を耳の高さに持ち上げて、仏様のおみ足を頂戴するのであります。

その時に肘を支点にして持ち上げます。

肘を肩の真下に着くようにしました。

これで肩の凝りが治ったという方がかつていらっしゃいました。

肘をつく位置も重要なのです。

それから更に肘を支点にして、頭と仙骨とで引き合うようにします。

背骨のノビを感じるのです。

仙骨と頭蓋骨の間の背骨のノビというのはとても重要であります。

坐禅のコツは、ここにあるのではないかと思うほどです。

これが礼拝の姿勢だとよく分かるのです。

それから更に手の平を伏せた状態から上に向けるようにします。

この時に手が外旋して肩甲骨と肩甲骨とが開くようになります。

これで肘を支点にして縦に背骨が伸ばされ、横にも肩甲骨と肩甲骨とが開くように伸ばされるのです。

こうして背中にノビを感じます。

そして体を起こして立ち上がるのです。

体を垂直に立ち上がる動きと、水平にして背骨のノビを感じることができるのです。

礼拝は神仏を拝む崇高な行いですが、身体技法的にみてもとてもよく体を調えてくれるのです。

それに呼吸を合わせて行いますので、余計なことを考えたりしません。

それで考えも減って身体も調って、坐禅と同じようになるのであります。

しかし、前回はしくじりました。

もう九割の方が既に参加されたことがあって、初めての方はほんの数人だときいていて初めての方向けの説明が足りませんでした。

毎回来て下さる方に新しい工夫を教えようと思ってしまいました。

終わったあとの質問で「布薩というのはどういう意味ですか」と聞かれて反省しました。

初めての方だったのでした。

そこで今一度布薩についてご説明したのでした。

布薩が終わったあとは、皆さんの表情がとても生き生きしているように見えました。

仏様を礼拝することがよい運動にもなり、呼吸に合わせますので、体の内部から活性化されて、更に余計なことも考えませんので、身心ともに良いのだと感じました。

雨の日ながら有り難い法話と布薩の一日でありました。

 
横田南嶺

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