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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.11.11
今日の言葉

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神宮寺様での大坐禅会で、最後は藤田一照さんと私とで対談しながら質問に答えるようにしていました。

いろんな質問をいただくことができました。

質問をいただいて、それに答えてゆくことでお互いに理解が深まるものです。

たくさんの質問をいただいたので、とても総てにお答えすることはかないませんでしたが、一部お答えさせてもらいました。

私が司会役を兼ねまして、主に一照さんがお答えくださいました。

まず質問に入る前に、お互いの坐禅を体験した感想を伝えました。

私は、一照さんの坐禅会で、終わりの方で時間が足りなくなったので、一照さんは一番大事なところを指導してくれました。

そのことが有り難いと思いました。

最後に伝えてくださったのは骨盤底筋をほぐすことと、頭頂を意識することでありました。

会陰という場所の真上に頭頂があるように坐ります。

坐った姿勢で一番下の部分と一番上の部分とに意識を向けるのであります。

一照さんの方からは、私のイス坐禅を体験されて、一般にイス坐禅というと、ただイスの上に坐っているだけの坐禅が多いのですが、私がどう坐ればいいのか、どうすれば調った姿勢で坐れるのかということを探求されているのが、よいと感想を言ってくださっていました。

曹洞禅と臨済禅との違いについて聞かれました。

一照さんは曹洞宗、私は臨済宗であります。

まず一照さんは坐禅の時の体の向きについて教えてくれていました。

曹洞宗の場合はお互いに、面壁といって壁に向かって坐ります。

臨済宗では対面で坐ります。

それから曹洞宗では「只管打坐」といって只坐ることを重んじるのに対して、臨済宗では公案を用いて坐禅をします。

これも大きな違いのひとつであります。

それから曹洞宗では威儀や作法を大事にします。」

威儀即仏法、作法是れ宗旨と言ったりします。

「威儀即仏法」というのは、立つ・歩く・坐る・寝るなど、あらゆる所作・態度、この「威儀」こそが、そのまま「仏法の現れ」である、というのです。

「作法是れ宗旨」というのは、作務や食事や儀式など、具体的な日常の行い方の作法が、そのまま「宗旨」、すなわち禅宗の根本精神そのものと一致しているという意味です。

それに比べますと、臨済宗の方が大らかな気がします。

馬祖禅師の教えにも、坐禅という形にとらわれると仏を殺してしまうということが説かれています。

もっとも個人によってそれぞれ相違がありますが、曹洞宗の和尚様の方が丁寧であります。

今回の坐禅会でも一照さんは伝統の曹洞宗の法衣で行われていました。

私はというと、イス坐禅であり、運動や体操もしますので、作務衣という略装で行っていました。

それから曹洞宗には「群を抜いて益無し」という言葉があります。

人より抜きん出ていても、何の益にもならないという意味です。

たとえば夜開枕といって消灯になっても、臨済宗の場合は、寝る時間だといって寝ているようでは駄目だ、そこから更に坐禅をするように言われます。

一照さんも初めて円覚寺の学生摂心に参加された時に、消灯の時間で休もうとしたら叱られたとお話になっていました。

道元禅師の教えでは逆なのです。

皆が寝るときには寝るのです。

人より坐って抜きん出ようというのはよくないのです。

それから法界定印と結手の違いについて聞かれました。

結手というのは、あまり聞いたことのない言葉です。

最近臨済宗の坐禅の手の組み方として説かれることがあるようです。

両方の握りこぶしを包むようにして組むのです。

私も円覚寺に来るまでは、手を組み合わせて坐っていました。

臨済宗ではこの組み方が多いように感じます。

法界定印というのは曹洞宗の坐禅のように思っていました。

それが円覚寺に来ると、法界定印で坐るので、はじめは驚いたものです。

それでどうしてこのような組み方をするのか、ずっと疑問に思って探求してきました。

それが最近になってようやくはっきりしてきましたので、この説明の時ばかりは私があたかも独擅場の如くにしゃべってしまいました。

それぞれの組み方があるのです。

終わった後に法界定印の意味が分かりましたと感想を伝えてくださった方がいましたので、うれしく思いました。

それから普段だらだらとYouTubeやショート動画を見てしまい、次々とフリックして次の動画をみて、YouTubeなどのシステムに完全に乗っ取られてしまう自分に気がついてもやめられないという方の質問がありました。

どうしたら抜け出せますかというのです。

これには一照さんも自分もそうだと答えてくださいました。

動物の動きとか、体のことについてあれこれ見ていると終わらなくなってしまうというのです。

一照さんもそうだと言ってくださると何かホッとするものです。

もっとも一照さんも次々と著書を出されていますので、ずっと動画にのめりこんでいるわけではないのです。

その日も新しい著書を頂戴したところでした。

やはり自分にとって何が大事な仕事なのかがはっきりとされているから、のめりこむことなく、切り上げて自分のなすべき務めをなさっているのだと思いました。

息抜き程度にご覧になるのはよいと思います。

ただやはりそんなことに夢中になるよりも、姿勢を正し呼吸を調えることの方がはるかに心地よいことだと自分の身心にしっかりしみこませておくことが大事だと私は思いました。

いろんな質問をいただくとこちらも学びになるものです。

あっという間に質疑応答の一時間も過ぎたのでした。

 
横田南嶺

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