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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.11.08
今日の言葉

座右の銘

十一月一日は釈宗演老師のご命日でした。

一日朝から宗演老師をしのぶ日となりました。

早朝に修行道場で、釈宗演老師の頂相を掛けて楞厳呪というお経をあげました。

その後修行道場にあるお墓にお参りします。

午前十時頃に東慶寺様に出かけて東慶寺様にある宗演老師のお墓にお参りしました。

そのあと引き続いて東慶寺様の書院で宗演老師についてお話しました。

檀信徒の皆さんが熱心に聞いてくださいました。

その後東慶寺様のご本堂で観音経を皆で唱和して宗演老師に御回向しました。

東慶寺様でお心のこもった精進料理をいただいて、そのあと引き続いて円覚寺で一時間少々、宗演老師についてお話しました。

こちらはスライドを用いながらお話しました。

大勢の方が熱心に聞いてくださっていました。

円覚寺でも午前中に教学部長の蓮沼直應先生が釈宗演老師についてお話くださっていました。

大書院と小書院では釈宗演老師の特別展が開催されていました。

まさに釈宗演老師一色の日でありました。

円覚寺でお話ししようとすると小川隆先生のお姿をお見受けしました。

あとでうかがうと午前中にもお見えくださり蓮沼先生のお話も聞いてくださっていたそうです。

それで十分ですのに、私の拙い話まで聞いてくださり恐縮しました。

終わった後に少しお話させていただきました。

小川先生は開口一番、百年前の話とは思えず今の話だと思って聞いていましたと仰っていました。

それは宗演老師が、今から百年以上前に

「アメリカ合衆国から、自分第一(ファースト)という個人主義が輸入されて、恐ろしい勢いで跋扈しはじめた。

この思想の勢いは防止することができない。

ナニモ個人主義、カモ個人主義、いちいち、自己を中心にして割り出す、これが高じてくると危険思想にもなるのです。」(『禅に学ぶ明るい人生』国書刊行会)と仰せになっているのです。

百年も前に「自分ファースト」という表現をされているのには驚きであります。

ではそれに対して、日本はどうあるべきかというと宗演老師は「我が日本人の思想としては、何が中心にならなければならないかといえば、それは『感恩の精神』(おかげさまと恩に感ずること)とでもいうべきものではないでしょうか。」と仰せになっています。

そんなことを話しましたので、今にも通じると感じられたのです。

東慶寺様の法話では宗演老師のご生涯のあらましを紹介して、座右の銘について話をしました。

「座右の銘」というのは、『広辞苑』に「常に身近に備えて戒めとする格言。」と解説されています。

宗演老師が四三歳の時にお作りになったものです。

宗演老師の座右の銘というのは、

一、早起未だ衣を改めず、静座し一炷香す。
一、既に衣帯を着くれば、必ず神仏に禮す。
一、眠は時を違えず、食は飽くに至らず。
一、客に接するは独り処(お)るが如く、独り処るは客に接するが如し。
一、尋常苟も言わず、言えば則ち必ず行う。
一、機に臨んで譲ること莫れ、事に当って再思せよ。
一、妄りに過去を想う勿れ、遠く将来を慮れ。
一、丈夫の気を負い、小児の心を抱く。
一、就寝は棺を蓋う如く、蓐を離るるは履を脱するが如し。

というものです。

一、早起未だ衣を改めず、静座し一炷香す。

朝、起きたらまだ着替える前にまず静かに坐るのです。

線香一本の燃える間、心を鎮めて呼吸を調えます。

どんなに忙しい日でも、まず心を静めて一日を始めようという心です。

一、既に衣帯を着くれば、必ず神仏に禮す。

そのあと着替えたら神仏を礼拝します。

仏様あるいはご先祖様に感謝して拝みます。

一、眠は時を違えず、食は飽くに至らず。

夜更かしをせず、決めた時間に休みます。

食事は腹八分にとどめます。

節度ある生活こそが身心の調和を生みだします。

一、客に接するは独り処(お)るが如く、独り処るは客に接するが如し。

人前に出ている時も、一人でいる時でも心の姿勢を変えないのです。

変わらぬ心をたもち、それでいてその場に応じた礼節をもって人と接します。

一人いても乱れぬようにします。

一、尋常苟も言わず、言えば則ち必ず行う。

言葉に責任を持ち、口にしたことは実行します。

一、機に臨んで譲ること莫れ、事に当って再思せよ。

決断すべき時は恐れず行動し、しかし軽率に動かず、実際の事に当たってはもう一度熟慮します。

勇猛な精神と慎重な心との両立を説いています。

一、妄りに過去を想う勿れ、遠く将来を慮れ。

過去にとらわれず、未来を志します。

失敗を悔やまず、次の一歩を踏み出す姿勢です。

一、丈夫の気を負い、小児の心を抱く。

剛毅な精神と、幼子のような純粋な心。その両立こそ禅者の理想でありましょう。

一、就寝は棺を蓋う如く、蓐を離るるは履を脱するが如し。

「蓐」は蒲団です。

寝るときは棺桶の蓋を閉じる思いで眠れというのです。

目覚めないかもしれぬと覚悟して、一日を悔いなく終えます。

そして起きるときは靴を脱ぐように、ためらわず蒲団から起き上がります。

「生死一如」の心境です。

宗演老師御一代のご活躍の裏には、このようにして自らを戒められていたことがあったのです。

わが身には昨日もあらず今日もあらず
   ただ法の為つくすなりけり

という和歌を残されていますが、仏法の為に身を捧げられたご生涯でありました。

 
横田南嶺

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