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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.10.21
今日の言葉

羅漢様をお招きする

先日は円覚寺で羅漢講式という法要が行われました。

かつては二日間にわたって、羅漢講式、舎利講式、そして大施餓鬼という法要を行っていました。

円覚寺派寺院の檀信徒をお招きして行っていました。

私などが修行僧の頃には三百人から四百人にかけてお参りくださっていました。

書院や信徒会館、そして選仏場までたくさんの蒲団をしいてお泊まりいただいていました。

それがだんだんと宿泊される人は減少しました。

かなり減少していたところにコロナ禍となってゼロとなりました。

コロナ明けで再開したものの、宿泊して二日間参加される人はなくなりました。

なんとか一日でお参りできるようにと工夫してみました。

更に円覚寺三宝会の皆様にもご案内して開催するようにしたのでした。

それでどうにか開催できるようになりました。

羅漢講式、舎利講式を一年ごとに行うように工夫してみました。

今年は羅漢講式を行いました。

羅漢とはそもそも何でしょうか。

『広辞苑』には「羅漢」とは「阿羅漢」のことだと書かれています。

では「阿羅漢」とは

仏教語で「(梵語arhan

尊敬・供養を受けるに値するという意で応供と訳す)

仏教の修行の最高段階。

また、その段階に達した人。

もと仏の尊称にも用いたが、後世は主として部派仏教の聖者を指す。

声聞四果の第4位。略して羅漢。」

と解説されています。

声聞四果というのは「四向四果」ともいいます。

これはもともと仏教における修行の階位を言いました。

預流向・預流果、一来向・一来果、不還向・不還果、阿羅漢向・阿羅漢果のことです。

「向」というのは特定の境地に向かう段階を言います。

「果」は到達した境地のことです。

「預流」というのは、悟りを開いた聖者の流れに入った者という意味です。

『仏教辞典』には「この位に達すると退転することがなく、最多でも七回人間界と天界を往来するだけで悟りに達するとされる」ものです。

預流向はその境地に向かう者ですし、預流果はその境地に達した者を言います。

一来は一度、天界に生れ再び人間界に戻って悟りに入る者を言います。

不還とは、もはや人間界にもどることなく、天界以上の階位に上って悟りに至る者を言います。

もう人間の世界に還ってこないので、「不還」なのです。

そして阿羅漢です。

『禅学大辞典』には

「意訳応供、福田、殺賊、無学。略称羅漢。

一切の煩悩を断滅し、なすベきことを完成した人。

佛弟子(声聞)の最高の聖者で、四向四果(小乗の修行階位を、その過程と到達した境地とによつて八つの段階に分類したもの)の第八の阿羅漢果を得た者。

また如来の十号の一つに数えられるように、佛陀自身をも指すことがあるが、この場合は応供の語を用いることが多い。

元来「資格ある人」の意味をもち、信者から衣食などの供養を受けるにあたいする人であるから応供という。

また信者が供養することによって大きな功德をうけるということから、信者に福を授ける田にたとえられて福田といわれる。

また一切の煩悩の賊を殺した人という意味で殺賊ともよばれる。

また一切の煩悩を断じ終り、これ以上学ぶべき何ものもないので無学といわれる」と解説されています。

岩波書店の『仏教辞典』には

「釈尊の十の別称(十号)にも<応供>の名がみられるように、もとは仏の別称であったが、のちに仏と区別されて、弟子(声聞)に<阿羅漢>の称が当てられるようになった。

特に大乗仏教では批判的に声聞を阿羅漢と呼び、仏と区別した。

中国・日本では仏法を護持することを誓った十六人の弟子を<十六羅漢>と称し、また、第一回の仏典編集(結集)に集まった500人の弟子を<五百羅漢>と称して(異説もある)尊崇することが盛んになった。

特に禅宗では阿羅漢である摩訶迦葉に釈尊の正法が直伝されたことを重視するので、釈尊の高弟の厳しい修行の姿が理想化され、五百羅漢の図や石像を製作して、正法護持の祈願の対象とした。」

と解説されています。

この十六人の阿羅漢を円覚寺の道場にお招きすることから羅漢講式は始まります。

請じ奉る第一 西瞿陀尼洲中 賓度羅跋羅堕闍尊者

請じ奉る第二  迦濕彌羅国中 迦諾迦伐蹉尊者

請じ奉る第三  東勝身洲中 迦諾跋釐堕闍尊者

請じ奉る第四  北倶盧洲中 蘇賓陀尊者

請じ奉る第五  南瞻部洲中 諾距羅尊者

請じ奉る第六  耽没羅洲中 跋陀羅尊者

請じ奉る第七  僧伽荼洲中 迦理迦尊者

請じ奉る第八  鉢刺多拏洲中 伐闍羅弗多羅尊者

請じ奉る第九  香醉山中 戎博迦尊者

請じ奉る第十  三十三天中 半託迦尊者

請じ奉る第十一 畢利颺瞿洲中 羅怙羅尊者

請じ奉る第十二 半度波山中 那伽犀那尊者

請じ奉る第十三 廣脇山中 因掲陀尊者

請じ奉る第十四 可住山中 伐那波斯尊者

請じ奉る第十五 鷲峰山中 阿氏多尊者

請じ奉る第十六 持軸山中 注荼半陀尊者

とお一人お一人のお名前を皆で読み上げて礼拝するのです。

円覚寺には五百羅漢の絵も伝わっています。

これは一幅に十人の羅漢を描いており、五十幅あります。

そのうち三十三幅は張思恭筆と伝わっています。

張思恭は宋代の画家ですが、その確証はないようです。

元代の作だと言われています。

残り十六幅は明兆筆と伝わっています。

どのような事情によるものか分かりませんが、五十輻のうち欠けた分を明兆が補ったというのです。

三十三輻は国の重要文化財に指定されています。

明兆のものは神奈川県指定文化財になっています。

江戸時代狩野養川筆の一幅を加えて五十幅になっているのです。

ただいま五百羅漢は毎年少しずつ修復をしています。

レプリカはふだん方丈にかけています。

伝張思恭筆と伝わる図はいずれも画面がかなりくすんでいます。

彩色も薄れています。

伝明兆の方の図は彩色もよく残っています。

他に明兆の筆と伝わる十六羅漢も円覚寺には伝わっています。

こちらはかなり鮮明に画が残っています。

これらの軸を大方丈にかけて羅漢様をお招きして法要をお勤めするのです。

そして羅漢様を讃えるのであります。

もっとも羅漢様のお姿が見えるわけではありません。

在すが如くと言いますようにそこにいらっしゃるかのようにお勤めするのであります。

円覚寺の伝統の儀式であります。

 
横田南嶺

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