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臨済宗大本山 円覚寺

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2025.10.06
今日の言葉

ヨーガ禅

九月の末に、日本ヨーガ禅道院主催のヨーガ禅特別研修会にお招きいただいてお話をさせてもらいました。

京都の知恩院にある和順会館で開催されました。

昭和の時代にヨガが流行したことがありました。

ヨガは、今日ではヨガと呼ばれることが多いのですが、『広辞苑』には「ヨーガ」として解説されています。

「ヨーガ

(瑜伽と音写)

古代から伝わるインドの宗教的実践の方法。

精神を統一し、物質の束縛から解脱をはかる瞑想法。

後世、身体的修練を重んじるようになり、現在では健康法の一つとしても行われる。」

と解説されています。

この最後にありますように健康法として流行したのでした。

戦後の高度経済成長期によって生活が便利になった一方で、ストレスや運動不足といった新たな健康課題が表面化してきていました。

そんな頃に、欧米では東洋哲学や瞑想、スピリチュアル志向のブームがありました。

ヒッピー文化とも言われます

日本でも「精神と身体の調和」に関心が集まっていたのでした。

美容と健康によいということでも流行したのでした。

そんなヨガの流行に功績があったのが、沖正弘先生でした。

沖先生は、一九二一年のお生まれで、一九八五年にお亡くなりになっています。

戦後日本におけるヨガの草分け的指導者といって良い方です。

ヨガブームを牽引されたのでした。

静岡県の三島に道場を開いていました。

私はこの沖先生に教わったという方から、三十代の頃にヨガを教わっていたことがありました。

それからもうひとかた、佐保田鶴治先生がいらっしゃいます。

佐保田先生は、一八九九年のお生まれで、一九八六年にお亡くなりになっています。

八七歳でした。

沖先生と比べますとお亡くなりになったのは、一九八五年にお亡くなりになった沖先生と一九八六年にお亡くなりになった佐保田先生とで、同じ頃であります。

ただ佐保田先生の方が、沖先生より二二歳の年長でいらっしゃいました。

沖先生は六四歳でお亡くなりになっています。

佐保田先生は、京都大学で哲学を学ばれ大阪大学の教授をお務めになっておられた方であります。

おおまかにいうと、沖先生のヨガは健康法として流行し、佐保田先生のヨーガは、哲学的であり瞑想や心の修練に特徴があると言えましょう。

佐保田先生はヨガと呼ばずに「ヨーガ」と呼ばれています。

今も「ヨーガ禅道院」というのです。

その日は知恩院の和順会館を借りて一日の講座でありました。

午前十時半に開会式があって、私の講座は午後からだったのですが、その開会式から参加しました。

自分の講座の前に皆さんが、どのようなことをなさっているかを知っておくことはとても大事であります。

開会式は、まず皆で三拝して仏の十号をおとなえするところから始まりました。

仏の十号というのは、

如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊というものです。

それから南無本師釈迦牟尼世尊と唱え、

ブッダン サラナン ガッチャーミー。
ダンマン サラナン ガッチャーミー。
サンガン サラナン ガッチャーミー。

と三帰依を唱えます。

そして般若心経を唱和します。

それから願わくは此の功徳を以て普く一切に及ぼし
我等と衆生と皆共に仏道を成ぜんことを

と回向文と読みます。

そして十方三世一切仏 諸尊菩薩摩訶薩 摩訶般若波羅蜜

と唱え最後に四弘誓願を読みました。

一番終わりには、
オーム・シャーンティ・シャーンティ・シャーンティヒー

と三回唱え、三拝して終わります。

そのあと一時間半にわたってヨーガ行法の実習がありました。

私もそれに参加させてもらいました。

一番隅っこで体験させてもらおうと思っていましたら、前の方にと言われて恥ずかしながら最前列で受講させてもらいました。

はじめにヨーガ禅の四原則を教わりました。

まずは動作はゆっくりとです。

ゆっくりと行うことによって、その動きに意識を置きやすくなります。

次には動作に意識を向けてです。

動くことによって生じた心地よい刺激に意識を向けるのです。

それから、動作は呼吸と結びつけてです。

四番目は、緊張と弛緩の適度な交替をということでした。

この原則の通り、ゆっくりと丁寧に呼吸に合わせて、簡易体操を教わりました。

それから基本体操の足を丁寧に行いました。

基本体操の手の方は時間の都合で一部だけ行いました。

それからいくつかのアーサナを皆で行いました。

ゆっくりと動くのでとても心地よく感じました。

なかには難しいアーサナもあったのですが、おおむね無理なくできるものでありました。

最後にライオンのポーズを行いました。

私もこれは久しぶりに行ったものです。

強く息を吐きながら舌を出すのです。

そうしてシャヴァアーサナという死体のポーズで終わります。

書物の上では佐保田先生のヨーガを学んでいましたが、実際にヨーガ禅道院の指導を受けるのは初めてでとてもよい学びになりました。

お昼の軽食をいただいて午後から私の講座が九十分。

前半は禅の教えに学ぶと題して、唐代の禅から宋代の禅、そして鎌倉から江戸時代へと発展していった過程を話しました。

後半はイス坐禅を実習しました。
午前中にすでによく体をほぐしていますので、心地よく皆さんとイス坐禅ができました。

ヨーガを習ってきたのも、これまた坐禅を長くできるためにほかなりません。

佐保田先生のヨーガ禅は、「ヨーガ禅」というだけあって、禅と通じるところが大いにあると感じました。

ヨーガ禅を体験させてもらって有り難いご縁でありました。

 
横田南嶺

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